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【宝田もなみ バイブスあがってる?】経験から思い起こす「馬鹿のセックスはつまらない」 いい顔を見抜く審美眼の重要性 (1/2ページ)

 小学生の頃、6月のひと月は読書月間だったと記憶している。結局、読書が好きな子はそんなの関係なく本を読むし、本が苦手な子は『かいけつゾロリ』あたりの文章より絵が多いような本を図書館で借りて読んだことにするだけの形ばかりの月間だけれど、雨がよく降る季節には家の中で大人しく本を読むくらいが丁度良いということなのだろう。今や20時以降はほとんどお店は閉まっているし、街に出ていても以前のように面白くない。20時以降は必ず家にいるなんてそれこそ小学生に舞い戻ったような生活だけれど、ここはひとつ初心にかえって雨の音を聴きながら本を読んでみるのも良いかもしれない。

 振り返ってみると、自分の人生に強烈に影響を与えている本がいくつかある。それらがなかったら今の自分は到底ありえないといえる本が今思いつくだけで何冊かあるけれども、その中で一冊だけ選ぶとしたらやっぱり山田詠美の『ぼくは勉強ができない』になるだろう。この本に出会ったのは中学の頃、まだ生理も恋も知らない時分だった。中学に上がり、小学生に人気の青い鳥文庫の本を卒業した後、なぜか私は山田詠美を読みまくる不真面目な子供に成長した。『ぼくは勉強ができない』は勉強はできないけれど女にはモテて年上のガールフレンドがいて日々恋にセックスにうつつを抜かす高校生、時田秀美の物語だ。秀美くんは、勉強はすこぶるできるけどいけすかない同級生をこう評価する。