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【歌姫伝説 中森明菜の軌跡と奇跡】ツッパリ系最後の作品 「十戒」に「イライラするわー」 (3/3ページ)

 《結果的にツッパリ系最後の作品になるので、その集大成と言うべき、ツッパリ用語のオンパレードとなっている。閉店間際の叩き売りみたいだ。「発破かけたげる」はともかく「さあカタをつけてよ」「坊やイライラするわ」と、山口百恵の曲から恥ずかしくもなく引用している。中森明菜には責任はない。引用であろうが、二番煎じであろうが、こういう分かりやすさは、支持されやすい。《十戒(1984)》は六十万枚で《サザン・ウインド》の五十四万枚よりは売れた。だが、いちばん「イライラして」この路線に「カタをつけ」たがっていたのは、中森明菜だっただろう》

 田中はいう。

 「メディアは圧倒的に売野の生み出した“明菜像”を好みました。どうしても“突っ張った中森明菜”を演出したかったのでしょう。しかし、明菜自身は、その路線が、自分そのものの人格と誤解されるのを快く思っていなかったと思います」 =敬称略 (芸能ジャーナリスト・渡邉裕二)

 ■中森明菜(なかもり・あきな) 1965年7月13日生まれ、55歳。東京都出身。81年、日本テレビ系のオーディション番組『スター誕生!』で合格し、82年5月1日、シングル『スローモーション』でデビュー。『少女A』『禁区』『北ウイング』『飾りじゃないのよ涙は』『DESIRE-情熱-』などヒット曲多数。NHK紅白歌合戦には8回出場。85、86年には2年連続で日本レコード大賞を受賞している。

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