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カンヌ映画祭で前代未聞の快挙! 濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』脚本賞ほか3賞受賞 (2/2ページ)

 物語は突然、妻(霧島れいか)を失った主人公、家福(西島秀俊)と仕事で家福の赤い車を運転することになったみさき(三浦透子)との交流を描くが、原作と車体の色が変わろうが、妻の死因が違おうが村上文学の魅力を損なってはいない。濱口監督と村上氏の感性はぴったりなのだ。

 昨年の第77回ベネチア国際映画祭で、脚本を手掛けた黒沢清監督の『スパイの妻』が銀獅子賞を受賞したことでも、濱口監督の脚本力は評価されたが、今回、演出力だけでなく脚本家としても評価されたのだ。

 最高賞パルムドールのジュリア・デュクルノー監督の『チタン』の発表を、審査委員長であるスパイク・リー監督が最初にバラしてしまいミソをつけたが、女性監督2人目のパルムドール受賞は単独受賞で画期的だ。

 1993年、『ピアノ・レッスン』でジェーン・カンピオンが女性監督としてパルムドールを受賞したときはチェン・カイコーの『さらば、わが愛/覇王別姫』とW受賞だった。

 ベネチアに続いて、ベルリン国際映画祭では『偶然と想像』(12月公開)が銀熊賞を受賞、そして今回のカンヌで世界3大映画祭を制覇した濱口監督。『ドライブ・マイ・カー』の脚本賞受賞は、日本映画界にとって大きな前進なのだ。 (小張アキコ)

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