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【酒井政利 時代のサカイ目】追悼版 音楽プロデューサー・関根敏彦氏が偲ぶ酒井政利さん 時代の音楽を作った先見の明 (2/3ページ)

 酒井さんは今に通じる数多くの新しい扉を開けた。当時の歌謡界は、アダルト路線全盛期で中高生が夢中になれる同世代の歌手はいなかった。そんな時、アメリカでフランク・シナトラが女性たちのアイドルと騒がれていることを知る。

 そしてひらめいたのが日本のアイドル路線。10代から共感を得て支持される若いスターを送り出そうと探したのが南沙織。『17才』は狙い通り大ヒット。日本のアイドル第1号が誕生した。

 10代はまさに思春期で青春の真っただ中。成長過程には多くのドラマがある。それを歌にすれば、同世代の共感が得られると、アイドルの楽曲には歌手の成長に合わせた“私小説路線”が取られた。

 郷ひろみ、山口百恵、浅田美代子、キャンディーズ、南野陽子、TUBE、宮沢りえ…今も歌い継がれる昭和の名曲が次から次へと生まれていった。

 当時、オリコン誌には左右見開きでベスト100が掲載されていた。その7割が酒井さんの曲で埋まった時代もあった。

 酒井さんをクリエイターという人もいるが、クリエイターというよりもクリエイターを束ねてアレンジするプロデューサーそのものだった。時代の先を見据える嗅覚は確かで、気になる人やモノを見つけるととことん付き合おうとした。

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