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【鎮目博道 テレビ用語の基礎知識】「映え犯罪」 抑止するのも助長するのも“カメラ” (1/2ページ)

 ハロウィンの夜に京王線の車内で起きた事件は本当に恐ろしかったですね。バットマンの悪役・ジョーカーの格好で犯行後にたばこを吸う男の映像は、どことなく「俺もジョーカーのようにかわいそうな境遇の男なんだ」と主張しているようでした。絶対に許せないテロ行為をなぜ男がしたのか。

 何も失うものがない「無敵の人」が自分を世間に誇示したくなり、「映像に映りたくて」犯行に及んだのだとしたら…、テレビが男に手を貸したことになります。恐ろしいことです。

 「映え犯罪」というと不謹慎かもしれませんが、ひょっとしたらこうして「カッコよく映るための犯行」を狙う犯罪者たちがいるのかもしれないということをテレビ関係者は認識しなければならないかもしれません。

 数年前に「なぜ中国人ばかりが挟まるのか」という特集を、私が制作するニュース番組でやったことがあります。子供がどこかの隙間に挟まったり、ビルから転落しそうになったり…という危機一髪の映像はなぜか中国に多い。

 その理由は? というので専門家たちに取材したら、「中国のテレビ局は国や地方政府が経営しているので、警察や消防の撮影した映像を結構自由に放送できるから」というのが一番の理由ではないかということでした。別に中国人ばかりが危険な目に遭っているのではなくて、中国はそういう映像が放送されやすい国だったと。

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