ファン知らない過去…たけし自伝が仏で緊急発売のワケ

2010.02.18


自伝は、たけしが意味シンに左目を隠したアート感覚あふれる表紙だ【拡大】

 映画監督、俳優、そしてコメディアンとして世界的に注目を集めるビートたけしこと北野武(63)の自伝が初めて海外で緊急出版されることが分かった。

 24日、フランスで発売される著書は『KiTANO par KITANO』。直訳すると「キタノによる、キタノ」。

 東京都足立区という庶民的な町に生まれ育った幼少時代から、彼を取り巻く家族など、フランス人のファンが知らなかった生い立ちが収められているという。読み応えのある336ページで構成され、定価20.90ユーロ(約2600円)。

 「出版元のグラセット&ファスケル社はパリのセーヌ川近くに居を構え、19世紀から続く老舗。世界的な出版不況にもかかわらず、この2カ月でトルストイなどの純文学から児童書までバラエティーに富んだ新刊本を発行する勢いのある出版社です。日本人が考える以上に、たけしは当地で注目を集めています」とパリ在住のジャーナリスト。

 カンヌ国際映画祭での活躍が広く知られ、3月10日には映画「アキレスと亀」のフランス公開が決定。日本では一昨年公開された作品で、たけし自ら、20世紀のフランスを代表する画家アンリ・マティスから取った真知寿(まちす)を演じた。

 続いて、3月11日から6月21日までパリ4区にある大統領の名を冠したポンピドー芸術文化センターでは「北野武大回顧映画特集」が大々的に行われる。さらに、カルティエ財団現代美術館で、たけしの絵画などの個展が開かれる。会期は当初の予定より3カ月延長され、9月12日まで作品が飾られる。

 なぜ、こんなにもフランス人に“KITANO”が、もてはやされているのか。

 「たけしが漫才ブームで日本中を沸かせた1980年代前半、実はフランスを笑いで包んだコメディアンのコリューシュがいた。彼はたけし同様、映画に出演。監督デビューも果たした矢先の86年6月、カワサキの1000ccバイクでトラックと衝突、帰らぬ人となったのです」(パリ在住ライター)

 たけしも94年、バイク事故を起こしたが、奇跡的に生還した。たけしとコリューシュとの共通点が多いだけに、フランス人には両者が重なって、単なる外国のマルチスターとは思えないのだ。

 日本では、久々にたけし流のバイオレンスが炸裂する新作映画「アウトレイジ」の公開が6月に控えている。もう一度、バラエティー番組では伝わらない“世界のキタノ”の才能を見直すいい機会かもしれない。

 

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