6日の公判に出廷した元マネジャーの男性=証拠隠滅罪で罰金刑確定=の証言によると、押尾被告は事件当日の昨年8月2日午後7時ごろ、元マネジャーに「部屋で友人が死んでいる」と電話。
駆けつけた元チーフマネジャーらに救急車を呼ぶよう諭されたが、押尾被告は「おれも薬を飲んでいるからできない」と拒否。「お前のことを一生面倒みるから、第一発見者として名乗り出てくれないか」と元現場マネジャーに泣きついたという。
押尾被告は「(お前が)知人の女性を連れ込んでセックスした後、その女性が亡くなったというのはどうか」と具体的な計画まで提案。
元チーフが「女性の体内の体液を調べると押尾だと分かる」と諭すと、今度は「(自分が)女性を呼びセックスした後、仕事があると部屋を出て、その後(現場マネジャーに)見に行かせたら女性が死んでいたのはどうか」と、さらに悪知恵を働かせた。
元チーフは「マンションには防犯カメラがあるから意味がない」と、再び冷静に一蹴。押尾被告はつめをかみ、貧乏ゆすりをしながら「プランBを考えてくれ」と依頼。その後、駆けつけた友人が119番通報すると、元現場マネジャーと2人の友人を残して別の階の部屋に“逃亡”したという。
元現場マネジャーは、自身が救急車を呼ばなかった理由について、「(押尾被告)本人への情が勝っていた。通報すると芸能生活をあきらめることになるので提案できませんでした」と、タレントを守らなければならなかった立場の苦悩を明かした。
裁判員から「今、押尾被告に言いたいことは」と聞かれると、元チーフ、現場マネジャーともに「特にないです」。押尾被告と2人は最後まで目を合わせなかった。