ミスター梅介、実はれっきとした法律専門家

2011.11.23


味のある芸を披露し続けているミスター梅介さん。約20年前も今とあまり変わらない?【拡大】

 「ケーシー高峰さんは医事漫談、私は法律だから法事じゃなくて法学漫談。気がつけば芸能生活は32年にもなりました。最近は裁判官の黒い法衣を着た『判決モノ』を中心に、英語も交えたネタをやっています」

 浅草にある演芸場「東洋館」での出番を終えた後に取材。この日は、《津波警報が出たと勘違いして他人の自宅に避難し、ついでに家人にナイショでご飯まで食べた場合の罪状は?》《アメリカ旅行の際、道ばたで遺失物を拾った。それを警察に届けず、自分のものにした場合、日本なら遺失物横領罪、ではアメリカなら?》といったネタを披露。大いに客席を沸かせた。

 「ある専門学校の客員講師になった15年ほど前、米国のウィスコンシン大学のロースクールで1年間、聴講生をしていたんです。主に学んだのは合衆国憲法でしたが、日本で言う刑法も学び、それが生きてるんですよ」

 手元には英字新聞。伊達ではないのだ。

 「大学を卒業後、13年ほど貿易会社で営業マンをしていたので、英語はそれなりにイケますよ。日本の新聞と英字新聞を読み比べると、同じニュースでも違った視点を知ることができますし、ネタ作りにも大いに役立つ。また、現在客員講師をしている伊藤塾では、弁護士を相手に米英法の論理や最近の判例についてを解説していますから、こちらのネタ拾いにもなるんです」

 それほどの知識があるなら、司法試験を目指さないのか?

 「いやー、その質問が一番困るなあ。実は何度も何度もチャレンジして、短答式試験と旧口述試験は合格してるんですよ。あと論文式に合格して両方の総合評価が良ければ司法修習生。そして司法修習生考試に合格すれば、晴れて法曹界入りです。でも現実は厳しい。壁は大きいですね」

 幼少時、家庭的には恵まれていなかった。物心ついた時に父母は離婚。親戚の家に預けられた。戦後の食糧難の時代だっただけに、厄介者扱いされたこともあったという。

 父が歌舞伎立て三味線の名人・杵屋六里郎氏だと知ったのは30歳を過ぎてから。鬼籍に入った父の遺産問題が浮上した時だった。

 「やっぱり芸人の血は争えないんですね。でも一人娘は、いたって真面目。似なくて良かったですよ。ハハハハハ」

 ■みすたーうめすけ 漫談家、タレント。1944年6月2日、東京生まれ。成蹊大学法学部卒業後、三菱商事系の貿易会社に就職。退職後、35歳にして漫談家を目指す。日本テレビのバラエティー番組「お笑いスター誕生!!」で金賞を受賞したことをきっかけに知名度を上げ、法律漫談を中心に活躍中。法律専門学校「伊藤塾」客員講師の顔も持つ。今月25日、国立演芸場「五代目圓楽一門会」。12月3日、お江戸両国亭に出演。この他の出演予定は本人の公式サイトで。

 

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