入川保則さんが語った延命拒否の真相…名脇役の“遺言”

2011.12.26


がんを受け入れ、自然体で生き抜いた入川さん=2011年8月【拡大】

 「銭形平次」「部長刑事」をはじめドラマ、映画、舞台の名脇役で知られた俳優、入川保則さんが24日、直腸がんのため神奈川・厚木市内の病院で死去した。72歳だった。入川さんは昨年7月に手術を受けたが、がんは全身に転移。今年2月に「余命半年」と宣告されたものの、化学療法などの延命治療は一切受けないことを告白し、その理由を夕刊フジに詳しく語っていた。

 「延命治療で5年生きるより、元気な5カ月を選びます。肩の荷をおろして早くあちら側に行きたいがビザが下りないんです」

 今年8月、都内の所属事務所でインタビューした際、笑顔を見せた入川さん。俳優人生をこう振り返っていた。

 「30代で酒、40代で女に溺れ、60代でやっと花開いた。僕の役者としてのピークは65、66、67の3年間。70代になってカタンと落ちた。なんで(延命)拒否したかというと、芸ができなくなったら体があってもしようがない、と思ったから。直腸がんというのは幸い痛みがない。徐々に死ぬ準備ができて天の恵みだと思っています」

 ところが、がんと“共生”しながら、死の準備を進める自身の日常を綴った著書『その時は、笑ってさよなら』『自主葬のすすめ』を立て続けに出版すると大反響。主治医も驚く気力の充実で、がんの進行も鈍化。「ゆっくりと身辺整理をしようと思っていたのに、取材の応対で忙しくて…」と困ったような、うれしそうな表情を浮かべていた。

 「死ぬ日として予約しておきたい」とインタビュー時に話していたのが11月10日の誕生日。

 「72歳。2・7(ニシチ)の株まで生きたいんですよ。その日に青酸カリか何か点滴できないかなあ、と言ったら医者が“死亡時期まで決めるなよ”と笑っていました」

 その日も無事クリア。主演映画の来年5月公開が控えていたが、ついに力尽きた。見る方も大の映画好きだった。

 「『第三の男』は80回見ました。主人公の端々の“くすぐり”が多い。脇に凝った作品は名作が多いんですよ」

 容体が急変したのは23日夜。所属事務所によると、離婚したタレント、ホーン・ユキ(61)との間の長男、正則さん(28)が看取った。病室から帰宅する際「帰るよ」と呼びかけたとき、力なく答えた「ありがとう…」が、最期の言葉だったという。

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 入川さんは生前、自らの肉声で収録した読経のCDを作成、自主葬として来年1月4日に通夜、5日に葬儀・告別式を行う神奈川・相模原市営斎場で流される。火葬も含め費用の45万円は故人が生前、葬儀会社に支払い済み。1月24日には、関係者がお別れ会を開く。

 

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