「AKB48」は知っていても、「ミルキィホームズ」というユニットを知っているお父さんは少ないだろう。しかし、人気声優4人組のこのユニットは、今や日本武道館で公演するほどのカリスマ人気なのだ。
三森(みもり)すずこ(25)、橘田(きった)いずみ(27)、徳井青空(そら、22)、佐々木未来(みこい、21)の4人組は、テレビアニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ」から生まれた。
「偵都 ヨコハマ」を舞台に探偵・怪盗・警察が三つ巴になって繰り広げる人気作品で、PSPゲームやカードゲーム、声優としてはCDやライブなど多彩なメディアミックス展開をしている。
プロジェクトを手掛けるのはカードゲーム市場で急成長を遂げているブシロード社。「ミルキィホームズ」はCDデビューから、わずか2年で人気が拡大し、ついに20日には、初の日本武道館公演を開く。
「昨年秋に『武道館やるぞ』と聞いたときは夢が叶ってうれしい半面、由緒正しき場所でできるのか? という不安の方が大きかった」と橘田。
三森は、「スタッフの方からチケットが売れてきてるよ、と聞き本当安心しました。20日は私たちの人生最大の記念日になると思います」と目を輝せている。
統括プロデューサーであるブシロード社の中村伸行氏は、同プロジェクトのメーンを飾る声優を公募した際、約4500通の電子メールや1000通以上の履歴書をすべて1人でチェックした。「『ミルキィ−』はメディアの複合として体現化したコンテンツユニットで、今後も続いて行くプロジェクトです。伝統ある武道館のステージをしっかりとやり遂げたい」と話す。
3次元の世界を制覇したのがAKB48なら、アニメやゲームといった2次元はミルキィ−が覇者となるのか。
アイドルウオッチャーの西幸男氏は、「近年のアイドルブームの特徴は握手会などで会えること。彼女たちもカードゲームという流行の追い風を受け全国のイベントにも頻繁に登場。ファンとゲームで対戦するなど、声優としては珍しく身近な存在であることがファンを一気に増やした要因では」と話している。