桜井センリさん、年齢にまつわる“秘密” 死去で解かれた封印とは…

2012.11.13


桜井センリさん(左)が亡くなり、「クレージー」は犬塚弘(右)だけになってしまった【拡大】

 10日、都内の自宅で亡くなった「ハナ肇とクレージーキャッツ」の桜井センリさん(享年86)。1926年生まれの桜井さんには年齢にまつわる“秘密”があったが、死去によってその封印も解かれることになった。

 テレビ創世記に「おとなの漫画」(フジテレビ系)、「シャボン玉ホリデー」(日本テレビ系)などの番組にクレージーのメンバーとともに出演。女形の「ひなこ」さんや、殺虫剤のCMでおばあさんに扮装した「センリ婆さん」のキャラクターはつとに有名で、殺虫剤を逆さに持って「ルーチョンキ」「アタシって駄目ね〜!」のセリフは流行語に。コメディー冠番組「センリばあさんのクレージー大変記」(テレビ朝日系)が放送されたほどだった。

 生まれはロンドン。父親は外国でも通用する名前がいいとヘンリーと付けたかったが、当てはまる漢字が千里(センリ)だったという。早稲田大学を中退し、バンドを転々としていた52年、桜井さんは「フランキー堺とシティ・スリッカーズ」に加入。ここで植木等さんと谷啓さんと出会った。

 60年、結核で倒れた石橋エータローさんのピンチヒッターとしてクレージーキャッツに加入。「リーダーのハナさんや植木さんより年上だと形にならないと、営業用でハナさんと同い年の30年生まれだと年齢を語った。誰もが知っている公の秘密だった」と演芸評論家の高山和久氏。高山氏によると、「周囲には、本当の生まれ年より2年上の24年生まれと思っている関係者もいた」といい、亡くなるまで、桜井さんの茶目っ気ある“イタズラ”に翻弄させられたようだ。

 音楽好きな人と慕われ、石橋さんが復帰後も「追い出すなんてできない」「ピアノを2人にすればいい」と残留。石橋さんが脱退するまでクレージーはWピアノという変則的な形だった。

 ある時、音楽に変化をつけようとハナさんが電子オルガンを導入。だが、桜井さんは「電気楽器は音楽じゃなく音響。鑑賞するものじゃない」と受けつけず、演奏を拒否。ピアニストとしてのプライドをみせたという。

 人付き合いが苦手で、私生活はほとんどオープンにしなかった。酒もタバコも外にいるときだけのストイックぶりだった。

 役者としても貴重なバイプレーヤーで、特に山田洋次監督作品には欠かせない存在だった。

 93年にハナさんが亡くなると、クレージーのメンバーは櫛の歯が欠けたようになり、残るメンバーは結成時から参加した犬塚弘(83)だけになってしまった。桜井さんが亡くなり、昭和のモダンな笑いの灯がまた1つ、消えてしまった。

■関連記事
 ⇒桜井センリさん孤独死? クレージーキャッツの名脇役
 ⇒小松政夫さん、しみじみ… 桜井センリさんの思い出語る

 

注目情報(PR)