勘三郎さん“最後の花道” 本葬は浅草からファンに別れ

2012.12.20


日生劇場の二月大歌舞伎で復帰する市川染五郎と、父の松本幸四郎、中村福助(左から)【拡大】

 歌舞伎役者の市川團十郎が18日、出演中の京都・南座の顔見世興行昼の部の「梶原平三誉石切(かじわらへいぞう・ほまれのいしきり)」を風邪による体調不良のため休演した。2004年に白血病を発症し、治療に専念した後、復帰しているだけに、心配だが大事(おおごと)ではないようで、少しホッとした。

 それにしても、今年の歌舞伎界は災いが続いている。

 8月に舞台から3メートルも転落し、肋骨骨折などの重症を負った市川染五郎と父の松本幸四郎らは復帰舞台となる「日生劇場 二月大歌舞伎」の製作発表を先週、都内で行った。

 事故以来、半年ぶりとなる舞台に染五郎は、「自分がもしかしたら(この場に)いなかったかもしれないということを考えますと、生かされた責任と役目を全うして務めていきたい」と話した。

 さらに会見の後、私が中村勘三郎さんの死について尋ねると、「お兄さんとは、いつも芝居の話になり、『あれもやりたい、これもやりたいね』と。とても残念です。2月の舞台に不安がないわけではないですが、僕も40にもなるし、お兄さんと『新しい歌舞伎を作ろう』と約束していますから」と、染五郎は前を向いていた。

 勘三郎さんの本葬は27日に東京・築地本願寺で営まれる。

 先の密葬も多くの人に慕われた勘三郎さんらしく密葬とは思えないにぎやかさだったが、本葬はさらに大掛かりな演出が用意され、たくさんのファンが、最後の花道をお見送りすることになりそう。

 ホームグラウンドの平成中村座があった浅草の隅田公園から歌舞伎座や新橋演舞場を回り、ゆかりの各所で別れを告げることも決まっている。あちこちの沿道はファンの喝采と「中村屋!」の呼び声が飛び交いそうだ。

 南座で、舞台を続けている息子の勘九郎からは、「おまきさん、(長男の)七緒八(なおや)の初舞台まで頑張ってリポートしてね」と言われている。明るい性格の勘三郎さんには涙を見せず、拍手で送るつもりでいる。

 ■武藤まき子 中国放送(広島)アナウンサーを経て、フジテレビ「おはよう!ナイスディ」のリポーターに。現在、フジの『情報プレゼンター とくダネ!』、関西テレビ『ハピくるっ!』に出演中。芸能、歌舞伎、皇室を主に担当する。著書にリポーター人生を綴ったエッセイ『つたえびと』(扶桑社刊)

 

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