ドラマや映画で大胆な脱ぎっぷりで人気を集めていた女優、佳那晃子(57)が今年1月、くも膜下出血で倒れ、一時は脳死寸前まで悪化しながらも7カ月の加療を経て意識を取り戻しつつあることが分かった。働き盛りの世代も気になる怖ろしい病気だが、奇跡的な回復をもたらしたカギはどこにあるのか。
佳那は映画「ザ・ウーマン」(1980年公開)や「魔界転生」(81年公開)、「極道の妻たち」(86年公開)などの映画やサスペンスドラマで存在感を見せてきた。2005年から5年間苦しんだネフローゼ症候群も乗り越え、舞台を中心に活動を盛んにしていたところ、極めて危険な病気に襲われていた。
所属事務所と夫の放送作家、源高志氏が連名ファクスで公表した佳那の発症状況は生々しい。佳那は1月10日夜、静岡県熱海市内の自宅で夫とテレビを観賞中、トイレに立った後に倒れ、熱海所記念病院に救急搬送された。くも膜下出血で、病気の程度は最も重い「重度5」だった。「グレードVは発症と同時に意識障害があり、脳へのダメージも大きい。一般的に予後不良とされることが多い」(医療ジャーナリスト)。
佳那を診察した医師は源氏に、今後の経過として「脳死」または「良くてもフラットな植物状態」と宣告した。それでも、蘇生措置などによって翌日、奇跡的に手術が可能な状態になり、10時間に及ぶ手術を受けた。
その後も意識は戻らず、「フラットな植物状態」との診断だった。6月に静岡県内の療養リハビリ病院に転院。8人の専従スタッフがつきっきりで治療にあたり、発症から7カ月が過ぎた今年8月になると、佳那は会話に反応して手足を動かしたり、瞬きで反応できたりするまでに回復。意識障害も減りつつあるという。
「発症時に大人がそばにいてすぐ救急搬送できたこと、手術可能な状態になったこと、手厚い療養・リハビリができていること。いくつかの奇跡が重なった」(医療ジャーナリスト)
所属事務所担当者は「意識はきちんとしているし、担当医からはよくなるでしょう、と言われています。源さんの経済的な負担が心配ですが、早く完治をして、また活躍してほしいと思っています」と語った。
かつて、夫の会社経営の失敗で背負った4億円を、文字通り体を張って返済。その後の腎臓障害も克服と、難局を幾度も乗り越えてきただけに、再び舞台に立ちたいという佳那の女優魂が、奇跡的な回復に向かわせているのだろう。