歌舞伎界に「新しい息吹」と「新しい波」 人気俳優のジュニアたちに希望の道

2013.12.04


尾上菊之助【拡大】

 伝統の世界は、担い手がいてこそ次の時代にバトンが渡る。くしくも一年前、歌舞伎俳優、中村勘三郎さんの、あまりにも早い旅立ちに心が折れたが、11月27日に東京都台東区の西徳寺で営まれた勘三郎さんの納骨式の場で、尾上菊之助(36)に会い、「赤ちゃんはまだ?」と話した。

 隣には膵臓(すいぞう)がんの手術を受け療養中の坂東三津五郎さん。焦らず治療に取り組んでいる。食事も、娘さんが色々やってくれているとうれしそうに話してくれ、一安心した。

 好江夫人手作りの骨つぼに納められた勘三郎さんのお骨は、ベント芝が敷き詰められたお墓へ。ゴルフ好きな勘三郎さんへの思いが表れていたお墓だった。

 お墓を前に、「じいじがいるところよ」と言われていた勘三郎さんの愛した孫、七緒八(なおや)君と哲之君。2人はしっかり歌舞伎俳優のDNAを引き継いでいる。

 式の翌日、無事、男の子が生まれたと菊之助からの知らせが。予定日より早い出産に立ち会い、へその緒も切り、「不思議な思いと責任が押し寄せてきたよう」と言いながらも、わりと冷静な様子。菊之助も、長男にしっかりした背中をみせて、歌舞伎の世界に進んでくれるよう期待する思いが、より深くなっただろう。

 今年もあと1カ月、まだ振り返る気分にはなれないが、次世代を沸かせる人気歌舞伎俳優たちのジュニアの誕生が頼もしく思え、楽しみも増える。今年3月には市川海老蔵(35)の長男、勧玄(かんげん)君も生まれた。ジュニアたちにとっては、これからが大変な日々の積み重ねとなる。しかし、脈々と続く伝統の世界は、厳しい修行の中にも次世代にしっかりバトンを渡していかなければいけない。

 花形役者が親になって初めて知る、親としての目覚め。きっと良い刺激となって、舞台に、芝居に、その思いをぶつけ、先人たちの思いも伝えてくれる。歌舞伎界にはこのところ悲しみが続いたが、新しい希望の道がまた見えてきた。近ごろ、体力に自信をなくしつつある私も、長生きして楽しめる新しい目標ができた。

 さらに松竹は来年4月に、4歳から10歳の子役を育成する歌舞伎スクールの「寺子屋」を作り、世襲に頼らず歌舞伎に興味ある子供たちに門戸を開くという。歌舞伎の新しい波。これもなかなか、面白いことになりそうだ。

 ■武藤まき子 中国放送(広島)アナウンサーを経て、フジテレビ「おはよう!ナイスディ」のリポーターに。現在、フジの『情報プレゼンター とくダネ!』、関西テレビ『ハピくるっ!』に出演中。芸能、歌舞伎、皇室を主に担当する。著書にリポーター人生を綴ったエッセイ『つたえびと』(扶桑社刊)

 

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