重要文化財「八千代座」で公演 感慨深い父・海老蔵の成長

2014.03.12


長女の麗禾ちゃんを抱き、くまモンと共演する市川海老蔵=熊本県山鹿市・八千代座【拡大】

 熊本県山鹿(やまが)市に、1910(明治43)年建築で国指定重要文化財になっている芝居小屋の「八千代座」がある。ここで市川海老蔵(36)が公演「古典への誘い」を6日から10日まで行った。まな娘の長女、堀越麗禾(れいか)ちゃん(2)も大好きな「くまモン」と一緒に舞台に。これが初お目見えとなった。

 100年を超える八千代座の歴史の中で、一時は存続が危ぶまれた時期があった。それを憂いた坂東玉三郎や中村勘三郎さんはじめ、海老蔵の父、市川團十郎さんら、歌舞伎界の重鎮が復興に力を寄せた。そして海老蔵も亡き父と同じく、八千代座の舞台に上がり、華やかな踊りと、くまモンとの共演というサービス精神をたっぷり見せた。

 成田屋をけん引していくという責任感と、歌舞伎を分かりやすく伝えるという使命が海老蔵の頭の中にある。「今、自分がやれることを」と、歌舞伎の伝承と新しい芝居への挑戦を続け、その種をまき続けている。

 京都南座の4月公演「市川海老蔵特別公演 源氏物語」(4月5日〜21日)では、海老蔵とメトロポリタンオペラで活躍するソリストを招き、歌舞伎とオペラ、能楽を融合させる。かつて作家の瀬戸内寂聴さんが、「光源氏は彼に」とほめていたが、今回はまた違う光源氏を作り上げるだろう。

 さて八千代座での公演、ざっくばらんな海老蔵に地元の人たちが盛んに拍手を送っていた。まな娘を抱き上げて、耳もとで「大丈夫だよ〜」とささやくほほえましい光景に、お客さんは、娘に甘い父親像と、家庭での海老蔵の姿を重ね合わせているようだった。おそらく跡取りの勧玄(かんげん)君には、海老蔵自身が父に指導されたように厳しくするのだろうが、團十郎さんは、子を持って初めて分かる親の気持ちをかみしめているであろう海老蔵の姿を見て、天国でさぞや喜んでいるだろう。そんな思いを胸に、私は山鹿を後にした。

 海老蔵は3月いっぱい地方巡業が続く。しかし、ストイックに、体調管理をしている。その姿に頭が下がる。のんびりできない性分のようで、とにかく、じっとしていない。それほどに、次々やりたいこと、気になることがあるのだろう。今、海老蔵を止める人はいない。

 ■武藤まき子 中国放送(広島)アナウンサーを経て、フジテレビ「おはよう!ナイスディ」のリポーターに。現在、フジの『情報プレゼンター とくダネ!』、関西テレビ『ハピくるっ!』に出演中。芸能、歌舞伎、皇室を主に担当する。著書にリポーター人生を綴ったエッセイ『つたえびと』(扶桑社刊)

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。