成城の豪邸のようにカッコよかった宇津井健さん

2014.03.26


ブランドジーンズとブーツに身を包み、若々しかった宇津井健さん【拡大】

 6年ほど前、宇津井健さんが私の担当していたニッポン放送「のってけラジオ」に出演したとき、ブーツを履き、細身の革ジャンを着ていた。それもイマドキの若い人たちの着るようなタイトな革ジャンだった。当時は76歳。そのくらいの年齢になると、皆、ラクな服を着たがるもの。しかし、宇津井さんは違っていた。

 さらに放送中の30分、イスの背もたれには一切体をつけず、ずっと姿勢を正しくしていた。CMの合間に「疲れないんですか?」と聞いたら、「いや、こうしているほうが気持ちいいんだよ」。こう語る宇津井さんは、カッコよかった。

 私のような団塊世代にとって、「宇津井健」の名を聞いてまず思い浮かぶのは「スーパージャイアンツ」。地球を守る宇宙人だ。私も物心がつき始めたころだったので、正直、会社が傾きかけていた新東宝の特撮映画にはB級感が漂っていた。特撮映画のスターは、ゴジラなど東宝の怪獣たちに代わっていった。

 そういう状況の中、全身タイツで下半身がモッコリしている宇津井さんには、「B級のスーパースター」という雰囲気で、逆に味わいがあった。

 その後、「ザ・ガードマン」(TBS系)でテレビに登場したときは、当時の先端のピエール・カルダンのスーツを着て、カッコいいなと思った。「ザ・ガードマン」のDVDも何種類か持っているほどだ。

 若い世代になると、大映ドラマ「赤いシリーズ」(TBS系)が思い浮かぶかもしれない。ということで、どの世代の人にとっても、宇津井健さんは常にトップを走っている感じがする。

 芸能界には、「あの人、昔、カッコよかったね」という人は多い。コレ、年をとってヨレヨレになってしまったということ。その点、高倉健さんや宇津井さんは、ずっとカッコいい。昔だけでなく、今もカッコいい。ああいうふうに年を重ねていきたい、と思ったものだ。

 宇津井さんは晩年、名古屋で暮らしていたが、その前はずっと東京・成城の豪邸に住んでいた。大学時代、運転免許取り立てのころ、仲間と「おい、成城の周辺は、黒澤明や三船敏郎、石原裕次郎、宇津井健らスターの家がいっぱいあるから、見に行こうぜ」とミーハー感覚で行ったことがある。

 そのとき、宇津井さんの家は、コンクリートの打ちっぱなしの飛び切りモダンでカッコいい建物だった。奥さんがそこでレストランを営んでいた。

 そんな宇津井健さんの訃報に接し、大きなショックを受けた。亡くなる直前、内縁関係にあった80歳の女性を入籍させたのも、宇津井さんなりの美学なんだろう。

 私の中で、またひとつ「昭和」が消えた。享年82。ご冥福をお祈り申し上げます。

 

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