ユウウツな夏に克つ安室のバラード

2014.07.16


夏のもやもやを吹き飛ばす安室奈美恵のアルバム【拡大】

 質の高い作品群がいっぷくの風になろうとしている。

 安室奈美恵(36)のバラードアルバム「Ballada(バラーダ)」の売れ行きが好調だ。収録曲はファン投票の上位15曲。シングル売り上げが邦楽女性アーティスト歴代1位の「CAN YOU CELEBRATE?」(1997年)は、バイオリニスト、葉加瀬太郎が参加したニューバージョン。

 また2011年のドラマ「私が恋愛できない理由」(フジテレビ系)の主題歌で350万配信DL(ダウンロード)を記録した「Love Story」や新たにボーカルをレコーディングした「SWEET 19 BLUES」などを収録。

 安室はアルバムを発表すると全国ツアーを行うというスタイルを確立させているが、今回も13会場36公演を行う。

 バラードアルバムは往々にして秋口に発売されがちだが、今回は夏。表面的にはサッカーW杯など華やかさを煽るが、実は憂いのまっただ中にある。内面的には憂鬱の時代とさえ言える。

 そんな今だからこそ、癒やし効果のあるバラードを待っている人は多い。心地よく聞くことができ、流れているだけで心の棘が外れるようなバラードだ。

 安室のよさは必要以上に表に出ないことにもある。新曲やアルバムを発売する度に、宣伝名目で各局の歌番組、バラエティー番組に出演する人も多いが、彼女は一切出ない。出し惜しみではなく、アーティストとしての姿勢を貫いている。何に対しても媚びずに歌で勝負している。

 そのため、音楽だけでなく、作品を形成するジャケット写真やポスターにも徹底的にこだわる。一切の妥協は許さない。プライベートもしっかりと管理し、流出に対してのガードは堅い。まさに、真のアーティストとして輝いている。

 この夏話題のアルバムといえば、長渕剛(57)の「Tsuyoshi Nagabuchi All Time Best 2014」もそうだ。長渕からの一方的な発信ではなく、ファンとの双方向として、6秒のショートムービーアプリ「♯みんなの長渕」を使用して長渕の曲を歌って投稿するというキャンペーンを実施中。続々と力作が応募され、ファン層の広がりを感じさせる。

 また良質の歌番組「SONGS」(NHK)では、スペシャルライブの他に番組初となるトークセッションを行い、長渕の歌に励まされたお笑いタレントやプロボクサー、ファンたちと熱いトークを交すなど、精力的に活動もしている。

 3年2カ月ぶりにアルバム「小田日和」を発売したのは小田和正。

 アルバムには世界最高峰のベーシストと称されるネイザン・イーストの最新アルバムに提供した「Finally Home」のカバー曲「mata−ne」やNHKの時代劇「吉原裏同心」に書き下ろした「二人」、明治安田生命の新CMソングとして書き下ろした「愛になる」も収録されている。

 66歳10カ月の小田だが、その透き通った声に年齢は全く感じられない。ボイストレーニングを続けていても、年齢とともにキーが下がっていく場合が多いのだが、小田には微塵も感じられない。

 この作品群に立ち向かおうとする、果敢な若い世代の音楽が聞きたいものだ。

 ■酒井政利(さかい・まさとし) 和歌山県生まれ。立教大学卒業後、日本コロムビアを経てCBS・ソニーレコード(現、ソニー・ミュージックエンタテインメント)へ。プロデューサー生活50年で、ジャニーズ系・南沙織・郷ひろみ・山口百恵・キャンディーズ・矢沢永吉ら300人余をプロデュースし、売上累計約3500億円。「愛と死をみつめて」、「魅せられて」で2度の日本レコード大賞を受賞した。2005年度、音楽業界初の文化庁長官表彰受賞。

 

注目情報(PR)

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

毎日25分からのオンライン英会話。スカイプを使った1対1のレッスンが月5980円です。《体験無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。