「心の旅」「青春の影」「虹とスニーカーの頃」などのヒット曲で知られるバンド「チューリップ」のギタリストの安部俊幸(あべ・としゆき)さんが今年7月、居住していたインドで亡くなった。64歳だった。味のあるプレーでバンドの音を支えてきた安部さんの早すぎる死。チューリップのあのサウンドはもう帰ってこないのか。
関係者によると、安部さんは7月7日、インドの自宅で倒れているのを家族に発見された。脳出血だった。葬儀は現地で近親者のみの密葬で執り行われ、しのぶ会なども遺族の意向で行う予定はないという。
ビートルズに影響を受けた安部さんは1971年、チューリップに加わり、72年には「魔法の黄色い靴」でデビュー。一度脱退したが、97年の再結成に参加。12〜13年には結成40周年記念ツアーにも参加、13年7月の福岡でのライブが最後のステージになった。
「自分の立ち位置を分かっていて、バンドには欠かせない人。メンバーをつなぐ要だった。昔はメンバー間の対立もあったが、最近のステージは昔の友達に戻ったような感じでよかった」と音楽評論家の富澤一誠氏。
ボーカルの財津和夫(66)は「とにかくギターを愛した男。彼が二十歳の頃に出会って、44年の付き合い。青春時代をともに生きてきた大切な友人でした。もう一度ステージで一緒に演奏したいです」とコメント。