今年7月、中国の食肉会社がチキンナゲットに使用期限切れの肉を使っていた問題が発覚し、再び“食の安心・安全”への関心が高まっている。番組では、食の安心・安全にこだわって、好業績をあげている企業に注目している。
東京や埼玉に20店舗を展開する「ひびき」。埼玉県東松山市に本社を置く飲食チェーンだ。店の看板メニューは豚肉を串で刺して焼いた「やきとん」だが、もう一つの“売り”は自社で開発した「生産者流通履歴システム」(トレーサビリティー)だ。
「豚肉の生産業者情報」から「肉を加工した場所・日付」、さらに驚くべきは、串に肉を刺した人まで分かるという。情報はホームページで毎日更新され、客も見ることができるように店頭でも公開されている。こうした取り組みが、新たな事業展開も生んでいるというが、そこは番組を見てのお楽しみ。
次に登場するのは、愛知県豊橋市を中心に5店舗を展開するスーパー「サンヨネ」。客のお目当ては、サンヨネのオリジナル商品だ。青果売り場では「横森さんのレタス」「宮川さんのぶどう」など、生産者の名前入りの商品が並ぶ。ポップには、「サンヨネ独自のミネラル豊富な肥料を使用」の文字。実は、サンヨネは契約した生産者に特注の肥料を提供し、低農薬の作物作りを依頼しているのだ。
オリジナルの加工食品も人気だ。ごまと調味料だけしか入ってない「ごまドレッシング」。秋鮭を冷凍せず、生から作る「スモークサーモン」。厳選した契約農家の野菜5種類から作った「ソース」など。オリジナル商品にはピンクのハートマークが貼られ、その数は420種類にものぼるという。値段も手ごろな価格に抑えられている。
安全を突きつめると、ここまでやらなくてはならないということか。これまで口にしていたものは一体何だったんだろうと思ってしまうが、こうした取り組みが広がるだけ、日本はまだ良心的だ。 (F)