LGBT(レズビアン、ゲイ、バイ・セクシャル、トランスジェンダーの総称)をテーマにした映画「カミングアウト」(29日公開、犬童一利監督)。「特命戦隊ゴーバスターズ」(テレビ朝日系)などに出演した俳優、高橋直人(23)が、ゲイであることを隠している青年という難しい役どころにチャレンジしている。
30人に1人といわれる同性愛者。本作は、ゲイであることを隠している大学生が、サークルの親友に片思いするなど、葛藤しながら自分の道を模索するストーリー。
主役の大学生を演じた高橋は「戦隊モノとモチベーションの上げ方は違いますが、日常的なリアクションでも、自分自身に折り合いをつけながら体現しました。同性愛者だからという役作りには固執しませんでした」と語る。
親友や家族にカミングアウトするシーンでは「その場から逃げ出したいぐらい難しかった。でも一度決めたことをやり遂げようとする主人公のすごさを感じ、その思いを出し切りました」。
ドキュメンタリータッチでイマドキのゲイを描くが、徹底的な稽古の成果で繊細で難しい役を見事に演じきった。「日常は女装するわけではない。男性が好きというだけでくくらないでほしい。屈折によって色や光の見え方が変わるのと同じだと思います」
実際にカミングアウトしたオネメン・オカマシンガーの秋山浩介(TooT Aki)や漫画家の歌川たいじ、レズビアンをカミングアウトしたグラドルの一ノ瀬文香らが脇を固めているのも見どころだ。 (高山和久)