「思い出のマーニー」の米林宏昌監督(41)がアニメ製作会社「スタジオジブリ」(東京都小金井市)を退社したことが明らかになった。夕刊フジが昨年8月、ジブリの映画製作撤退を報じて以降、ジブリ側はこうした報道を暗に否定してきたが、いよいよ現実味を帯びてきたのか。
米林氏は12日、都内で行われたイベントに登場。次回作への意気込みを聞かれ、「年末で会社を辞めたんで、もうジブリの人間じゃないんです」と明かし、イベント会場に衝撃が走った。
続けて、「どういう形になるか分からないけど、また作品をつくっていきたい」とアニメ製作への意気込みを語った。だが、あくまでもそれはジブリの外でということになる。
宮崎駿監督(74)が2013年秋、体力的に厳しくなったとして長編アニメからの引退を表明。「かぐや姫の物語」の高畑勲監督も79歳の高齢とあって、“ポスト宮崎”と目された米林氏の退社は、ジブリの今後の展開を象徴しているようだ。
「スタジオジブリは、実質的に宮崎さんの個人工房」(映画関係者)といわれてきただけに、ジブリにとって後継者の育成が最大の懸案だった。
宮崎氏も引退会見で「若いスタッフから『これやりたい』という声が届くのを願っています。意欲や希望や能力にかかっている」と後進を刺激していたが、映画関係者は「ジブリは200人はいたアニメーターの人員整理を進めています。その中でも、米林監督が退社したことで、事実上、いわゆる“ジブリ作品”を作ることのできる人材がいなくなったということ」と語る。