ありがとう、小山三さん 「長い付き合い、顔見るとうれしくなる」 (1/2ページ)

2015.04.15


歌舞伎界の“宝”といわれた小山三さんの死が惜しまれる【拡大】

 4月になり、時間があったので、中村鴈治郎の襲名公演に足を運んだ私の携帯に着信履歴が…。留守電には「(中村)小山三(こさんざ)さんが亡くなった」と入っていた。94歳だった。

 体調が良くなく、入院していると聞いていた。会えば「もう夢なんてないわよ。でも死ぬ気もしないのよね。武藤ちゃん、あんたとも長い付き合いになったわね。顔見るとうれしくなる」と肩をたたいて、化粧品の話で盛り上がったものだ。

 あるトークショーでは、中村勘九郎に呼ばれ舞台に上がると、「ここまで生きたら、中村屋三代で終わらず、四代の七緒八まで」と話していたのに…。

 勘九郎、七之助の兄弟が幼い頃、テレビで密着取材していると、いつも化粧担当だった。眠ったり、跳ねたりとじっとしていない2人を、最後は「もう勝手になさい」と突き放す。2人が謝ってくると、ニヤリと笑いながら、化粧下地にツバをパッパッと…。

 それを、そばで見ていた父の勘三郎さんは「俺もああして足を引っ張り倒した。しかし、よーく尽くしてくれているよ」と話してくれたものだ。

 十七代勘三郎さんが亡くなった夜、遺体にすがりついて「どうして!」と泣きじゃくる姿を目の前で見て、その強い師弟愛に驚きもした。

 歌舞伎界の生き字引だった。十八代勘三郎さんはまっしぐらに突き進みながらも、いつも最高齢役者の小山三さんを舞台に上げ、引き出しに詰まった古き良きものを伝承してきたものだ。

 

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