15日に80歳で亡くなっていたことが明らかになったタレント、愛川欽也(あいかわ・きんや=本名・井川敏明=いがわ・としあき)さん。在宅治療で肺がんと闘いながら、それを押し隠して仕事を続けていた。昭和から平成まで50年以上、“キンキン”の愛称で親しまれてきたが「おまっとさんでした」の言葉はもう聞くことはできない。
17日午前、遺族のみで密葬を済ませ、荼毘(だび)に付した後、所属事務所が発表した。
事務所によると、愛川さんは昨年冬に体調の不安を訴え、検査の結果、肺がんが判明。
たっての希望で在宅治療を選んだ愛川さん。仕事に復帰する可能性にかけ、病名を公表しないまま、テレビ東京系「出没!アド街ック天国」の収録などに臨んでいた。3月に「アド街」を降板して以降は在宅治療に専念。「治療のため、今月初めには自宅に介護用ベッドなどを運び込んでいました」と芸能関係者。先月までは元気だったというが、今月に入って容体が急激に悪化した。
妻のうつみ宮土理(71)の懸命の看病に支えられ、自宅で最期のときを迎えた。息を引き取る直前まで「仕事に行こう」と寝言のように口にしていたという。
うつみとは1978年、前妻と離婚した翌日に再婚。以来、芸能界一のおしどり夫婦として知られた。健啖(けんたん)家で知られる愛川さんがテレビ番組で「(好物の)トロを数切れしか食べさせてもらえないんだよ」と語るほど、うつみは健康管理に気を使っていた。