事故を機にさらに成長した染五郎 ラスベガスで初の歌舞伎公演 (1/2ページ)

2015.05.13


苦難を乗り越えて、歌舞伎界を支える存在になった市川染五郎(共同)【拡大】

 8月14〜16日、米・ラスベガスの象徴ともいえる「ベラージオホテル」の大噴水前で、日本の歌舞伎が初上演される。その重責を市川染五郎(42)が担うのだ。

 演目は、主人公と鯉の妖精が繰り広げる「鯉つかみ」。やるじゃないか、染五郎。どんな舞台になるのか。私の夏休みはこれで決まった。

 花形といわれる世代から頼られる兄貴、染五郎は「あーちゃん」と呼ばれている。私も長く歌舞伎界とかかわりを持ち、初舞台もこの目で見た。インタビューもした。そんな彼が今や次世代を代表する役者に成長した。

 松本幸四郎の息子であり、松たか子の兄であるがゆえ、何かにつけてそれが重くつきまとってきた。「俺は染五郎だ」と叫びたかったはずだ。

 一度は再起が危ぶまれたこともあった。3年前、国立劇場で起きた事故はまだ記憶に新しい。

 家族総出の舞台は長女のお披露目でもあった。松本流家元の染五郎は、舞台中央で鼓を手に懸命に踊っていた。「高麗屋!」の声がかかり、父が花道に姿を見せ見栄を切ったそのとき、舞台から染五郎が消えた。

 演出かとも思ったが、舞台を撮影していたカメラマンが手でバッテンをつくっている。決して演出でなく、染五郎がせりから奈落に転落したことを教えてくれた。

 あの日、私たちだけが取材に訪れていた。だから、あの映像はフジテレビにしかない。私は母親の紀子さんに電話をかけた。いつもならすぐ連絡をくれるのに、呼び出し音がむなしく響いていた記憶が生々しい。

 

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