まだある戦後70年に埋もれた史実 夫と特攻機に乗って突撃した妻の絶対愛

2015.08.20


豊田正義(著)『妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻』【拡大】

 この夏、先の大戦に関する番組が数多く放送される中、ドラマ「妻と飛んだ特攻兵」(16日、テレビ朝日系)を観た。原作はノンフィクション作家、豊田正義氏の『妻と飛んだ特攻兵 8・19 満州、最後の特攻』だ。

 終戦直後の満州を舞台に、若き新婚の少尉が妻を特攻機に乗せ、一緒にソ連軍戦車隊へ突撃した−という実話がベース。特攻隊の教官を務める少尉(成宮寛貴)の妻を堀北真希がけなげに演じた。

 特攻機に乗り込む堀北は、真っ白なワンピース姿に白いパラソル。太宰治の短編を見るかのよう刹那の場面で、その絶対愛に心を打たれた。

 飛行隊本部の教官らが出入りする旅館で働く女性を演じた小西真奈美も実に良かった。三十路を超えて、凛とした日本女性の眼力は、「男だったら戦死した夫の仇をとる」と口にするほど鋭い。勝ち気な女性で、一途さが光っていた。

 戦後70年に埋もれた史実が、まだまだあるんだな、と感慨深かった。

 私たちはそうした犠牲の上に今、平和の中を生きている。結婚、離婚を繰り返してきた私は何もえらそうなことは言えないが、孔子がいう「六十而耳順」の年を過ぎた。還暦を過ぎ、やっと他人の言うことに耳を傾けられるようになったという意味らしい。

 次は「七十にして心の欲する所に従って矩(のり)を踰(こ)えず」。つまり、心のおもむくままに生きて間違いのない年を無事迎えられるか。

 近ごろ、物忘れが進んできた私に担当医がこう言った。

 「あなたが忘れるのは、まだ固有名詞でしょう? 一般名詞も生きるために必要のないものから消える。たいていは赤ちゃんの時から覚えてきた“逆順”で消えてゆくのですよ」

 最後は、人の温もりだけが分かるらしい。

 特攻に散った夫婦の絆を見た後、私は物忘れが何も怖くなくなった。恋愛を始めるぞ! 破天荒な六十路を生きてやる。 (出版プロデューサー)

 ■高須基仁の“百花繚乱”独り言HP=「高須基仁」で検索

 

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