千住真理子さん、挫折も再起もバッハの力 ボランティアで音楽の本質に触れ道が見えた (1/3ページ)

★千住真理子さん『ヴァイオリニストは音になる』(時事通信出版局、1800円+税)

2015.09.12

連載:ブック


千住真理子さん【拡大】

 小学6年生の終わりにプロの演奏家としてデビュー、今年で40年を迎える。バイオリニストとしての喜びと苦悩、1716年製の名器ストラディヴァリウス・デュランティとの運命的な出合い、親愛なるバッハへの想いを聞いた。 (文・高山和久 写真・Kiyotaka Saito(SCOPE))

 −−すてきなエッセー集ですし、家族の絆も伝わります

 「19歳ぐらいまでは母(エッセイスト・教育評論家、文子さん、享年87)と二人三脚。というよりも母が3分の2ぐらい頑張ってくれて、3分の1の部分で私がバイオリンを弾くという状況でした。その母が2年前にこの世を去ったことは、私自身が死んだのと同じような破滅的なできごとでした。でも母の影が心にずっとあることで今があります。母の存在は今も大きいですね」

 −−一度は楽器を手放された20歳のころの心の動きが鮮明です

 「大きな谷間でありターニングポイントだったことは確かです。もう立ち直れないほどの挫折を味わいました。あの時、私は心身ともに追いつめられて限界まで行って、やめざるを得なかったんです。マスコミからは『天才少女』と呼ばれ、まだ大人になりきっていない段階でプレッシャーに負けまいと必死に頑張り、いろんな意味でアンバランスだったために破滅したのです。一方で父(工学博士、鎮夫さん、享年77)は『ステージでうまく弾けなくても努力は続けなさい』と言い続けたわけです。私は随分反発もしたけれど、父は高い所から見ていたんだと思います。今になるとわかりますけれど」

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。