佐々木譲さん「私は地図が好きなんです」 ベテラン作家の異色作 (2/3ページ)

2015.09.19

連載:ブック


佐々木譲さん【拡大】

 −−ミックスですね

 「でも、完全に架空の街にして、地名も普通名詞に近い感じの地名にして、この街自体の固有名詞は書いていないんです。読者は架空の街とわかるんだけど、固有名詞がないことで、逆に実際に存在しても不思議はないのかな、という可能性をちょっとでも感じさせる設定です。それから、『勇士は還らず』という小説でベトナム戦争当時の脱走米兵の話を書いたのですが、68、69年の話をもう一度書いてみたかったのです」

 −−「幽霊船奇譚」という章もありますね

 「若い頃にホラーっぽいというか、超常現象を扱った作品をいくつか書いているんですよ。でも、自分では幽霊を信じていないところがあるので、幻視というか、あいまいな設定にしています」

 −−本の見返し部分に地図が描かれています

 「私は地図が好きなんです。自分の本棚には地図関連の本がかなりあるし、ヨーロッパの都市図も結構集めています。外国旅行のお土産がその都市の古い地図だったりね。地図好きは子供のころに読んだ『宝島』辺りからかなあ。海洋冒険小説を読むと架空の島の地図を作って物語を空想してましたね。『地層捜査』は四谷荒木町(東京)が舞台ですが、地図を手に歩き回ることから始めました。刑事が街の奥に分け入っていく。地層の奥底を掘り起こすように過去に戻る…。あ、もしかしたら、これを書いているうちにもう一作と思ったのかもしれないね」

 −−地図もまた雄弁です

 「『新宿のありふれた夜』も最初の単行本では地図を入れたんです。現実の歌舞伎町をすごく細かく歩きました」

 

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