「日刊アルバイトニュース」 ネットなど影も形もなかった頃のバイト探し

2015.11.25


(C)「an」2015年11/16売り号 インテリジェンス【拡大】

 求人情報誌「an」首都圏4版が、11月23日売り号で休刊になる。情報はスマホを通じて得る時代になり、その波に飲み込まれたわけだ。

 「an」は「アルバイトニュース」の略。前身は「日刊アルバイトニュース」だった。筆者が高校から大学時代の1970年代後半、ネットなど影も形もなかった頃にお世話になった。高校時代初めてのバイトは同誌で探した神宮球場でのビール販売。ひもでかかげたビール缶の冷たさが腰に食い込んで1日でギブアップしてしまった。

 大学時代初めての職探しも同誌で見つけた。新宿駅ビルの画材屋で夏休みに1週間、朝から晩まで立ちつくして絵の具やスケッチブックを売る仕事で、足が棒のようになった。

 最終日、その時の上司で10歳ぐらい年上の社員さんは「今夜はまかしとき!」と言うが早いか歌舞伎町に連れ出された。居酒屋から始まり、当時流行っていた「どん底」などの酒場数軒をはしごで連れ回され、気がついたら翌朝、彼の代々木上原のアパートで目覚めたものだった。

 今回、80年代前半の同誌を再見すると「ピザハウスジロー」、「コーヒー専門店コロラド」など往時盛り場のどこでもあった店の求人広告が満載で、懐かしい思いに誘われる。

 ただ、友人や身の回りを観察すると、その頃気の利いた奴は情報誌など使わず、先輩やら親戚に紹介された割のよいバイトをするのが常だった。同誌のインタビュー欄に登場した当時売り出し中のコント赤信号が「(自分たちも)アルバイトニュース読んでる奴もマイナー」と言っているのも、まあそうだったなあとうなずける感じがある。

 学生時代後半、筆者にライター稼業のスタートをさせてくれたのも実は同誌。毎号巻末に有名人インタビューや取材編集のページがあり、それを請け負う神田のプロダクションに出入りしたのがきっかけだった。

 今では信じがたいが、当時の巻末記事ページには村上春樹の連載エッセーまで載っていた。原稿ができると神田須田町の交差点を渡り、そのプロダクションまで毎週届けに行ったものだ。

 ある時、社への集合のお触れがあり、出向くと、「今度FAXという機械を入れることになったのでその説明会を開きます」と言われた。事務機器会社の営業マンから編集部員らとともに送受信法を習ったのだが、隔世の感があるなあ。 (矢吹博志)

 ■「日刊アルバイトニュース」 発行:学生援護会→インテリジェンス 有代誌として創刊:1968年1月 20円 休刊号:2015年11月23日売り号 0円(フリー)

 

 

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