“平成の泣かせ屋”浅田次郎さん“人情のツボ”をつく珠玉の6篇 「獅子吼」 (1/3ページ)

★浅田次郎さん『獅子吼(ししく)』(文芸春秋、1400円+税)

2016.02.13

連載:ブック

浅田次郎さん
浅田次郎さん【拡大】

  • <p>浅田次郎さん</p>
  • <p>浅田次郎(著)『獅子吼(ししく)』(文芸春秋、1400円+税)</p>

 当代きってのストーリーテラーが贈る珠玉の短編集。「平成の泣かせ屋」が、これでもかと“人情のツボ”をついてくる。しみじみと、ほんわかと…人生に寄り添ってくれる物語だ。 (文・大谷順 写真・伴龍二) 

 −−表題作の「獅子吼」。戦争中に動物園の猛獣が殺される出来事は実際にあったこと

 「そうですね。子供のころ、その話を描いた映画があって、あまりの哀しさに、最後まで見られなかった思い出があります。おそらくどこの動物園でもあった話だと思うけど、あえて深くは調べなかった。真実を知れば知るほど悲惨になってしまうからね。そこまで残酷な物語は、もはや小説にはできません」

 −−動物(ライオン)の視点で描いています

 「『戦争』をするのは人間だけですよ。動物から見たら、何と愚かしいことでしょう。動物が好きなんです。特に(ライオンなど)ネコ科が好き。今もネコを飼っているけど、かわいくって」

 −−「流離人(さすりびと)」という作品も反戦がテーマ。満州の関東軍への配属を命じられた東京帝大出身の学徒将校の前に、「任地へ向かう気がない」としか思えない上官(櫻井中佐)がふらりと現れる

 「(櫻井は)建前として、ずっと任地へ向かい続けているのだけど、期日が決められていないから、いつまでたっても到着しないだけ。いいでしょう、こんな人…。僕もやりそうな気がするなぁ。『軍隊』『戦争』となると画一的なイメージで考えがちだけど、そんなことはない。厳しい軍律の中でいろんなドラマがあったはず。(櫻井のように)疑問を持ちながら戦地へ行った軍人も多いと思います」

 

産経デジタルサービス

産経アプリスタ

アプリやスマホの情報・レビューが満載。オススメアプリやiPhone・Androidの使いこなし術も楽しめます。

産経オンライン英会話

90%以上の受講生が継続。ISO認証取得で安心品質のマンツーマン英会話が毎日受講できて月5980円!《体験2回無料》

サイクリスト

ツール・ド・フランスから自転車通勤、ロードバイク試乗記まで、サイクリングのあらゆる楽しみを届けます。

ソナエ

自分らしく人生を仕上げる終活情報を提供。お墓のご相談には「産経ソナエ終活センター」が親身に対応します。