【長尾医師の平成人間臨終図鑑】永六輔さんの“大往生”に見る肺炎と老衰のあいだ (3/3ページ)

2016.10.13

長尾和宏医師
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 なかには「老衰」としか言えないケースがあります。しかし最後の1日だけ熱が出て少しゼコゼコしたという場合もあり軽い肺炎を併発したこともあります。そんなことは決して稀ではなく純粋な老衰はあまり多くない、という意見もあります。また若い医師は純粋な老衰であっても「老衰」とは書きたがらない傾向があります。病院の上司から「老衰なんて病名はない」と指導されたという声も聞きました。

 一方、20年以上町医者をしている私は喜んで(?)「老衰」と書いています。家族にも「良かったですね、生き切りました。大往生、平穏死です。素晴らしいことです」と説明しています。つまり病院と在宅では「老衰」に対する認識にかなりのズレがあると思います。

 ただ私でも、まだ平均年齢に達していない人に「老衰」を書くときには迷うので家族とよく相談します。家族も「老衰」という言葉を嫌がる家族と、反対に喜ぶ家族がいます。「大往生」や「平穏死」という言葉で在宅療養を支えてこられた家族ねぎらうには「老衰」のほうが相応しい場合が多いと思います。

■長尾和宏(ながお・かずひろ) 長尾クリニック院長。1958年香川県出身。1984年に東京医科大学卒業、大阪大学第二内科入局。阪神大震災をきっかけに、兵庫県尼崎市で長尾クリニック開業。現在クリニックでは計7人の医師が365日24時間態勢で外来診療と在宅医療に取り組んでいる。趣味はゴルフと音楽。著書は「長尾先生、「近藤誠理論」のどこが間違っているのですか?」(ブックマン社)、「『平穏死』10の条件」(同)、「抗がん剤10の『やめどき』」(同)。

 

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