【長尾医師の平成人間臨終図鑑】平幹二朗さんも… 年間2万人近い人が入浴死 (1/3ページ)

2016.11.10

長尾和宏医師
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 10月末に2015年度の国勢調査結果が発表されましたが、今回の結果はなかなか衝撃的でした。調査以来(第一回目は1920年)初めて、ひとり暮らし世帯が全体の三分の一を超えたのです。その理由には、若い世代が都市に移住していること、生涯独身の人が増えていること、そして高齢化社会が挙げられます。35年には、50歳男性の3人に1人が未婚者になるという予測もあります。

 前回、大原麗子さんの孤独死の真相について書きましたが、孤独死はもはや特別のことではなく、誰もがそのリスクを抱えています。孤独死と一言で言っても死因も状況もさまざまですが、お風呂好きの日本人だからこそなのでしょうか、我が国ではお風呂で孤独死するケースが多くあります。

 先日も俳優・平幹二朗さんの突然の訃報がありました。平さんもお風呂で亡くなられていたようです。息子で俳優の平岳大さんの発表によると、10月22日にお父さんと連絡が取れなくなり、翌日自宅を訪ねたところ、浴槽で穏やかに、眠るように亡くなっていたといいます。

 享年82歳。直前まで舞台をこなし、連続ドラマにも出演中でしたから、健康状態は良好で特に病気をされていたわけではなかったようです。お風呂で孤独死というと、人によっては悲惨なイメージを持たれるかもしれませんが、私はこれも“平穏死”であると考えます。ただし、発見されたご家族にとっては、「なぜひとり暮らしをさせていたのだろう」「なぜもっと早く駆けつけてあげなかったのだろう」と大きなショックを受ける場合も多いです。

 厚生労働省の調査によると、お風呂で亡くなる人は年間1万9000人(乳幼児の溺死も含むが8割以上は高齢者)。現在、交通事故で亡くなる人は年間5000人を切っていますから、なんと入浴死は交通事故死の4倍以上。これは驚くべき数字です。

 高齢者の入浴死は、寒い季節になるほど増えていき、冷え込みの厳しい1月頃がピークになります。平さんが亡くなったとみられる10月22日の東京も、ちょうど朝晩の冷え込みが激しくなった時期でした。温度差が大きくなると、血圧の変動も大きくなることがわかっています。すると、致死性の不整脈が生じやすくなり、脳卒中や心筋梗塞を引き起こしやすくます。これを、ヒートショックと呼びます。ヒートショックは正式な医学用語ではありませんが、医療の現場でも昨今、多用されるようになりました。

 

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