貧血 自律神経が十二指腸に損傷 鉄分を正常に吸収できない

2014.10.01


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 毎月生理が訪れる女性に「貧血」が多いことは、お父さんだって知っている。しかし、精神的なストレスがかかると貧血のリスクが高まることは、知らないだろう。じつはこれ、女性でも知っている人が少ないようだ。

 OLのJ子さん(34)は、日頃から貧血によると思われる症状に悩んでいる。慢性的に疲れが抜けない。化粧でごまかしてはいるが、じつは顔色もよくない。朝、起き抜けの“めまい”はほぼ必発で、大人になってから「スッキリした目覚め」の経験など記憶にない。

 女性なので生理に伴う貧血は十分考えられるし、彼女自身その対策には余念がない。好きではないが2日に1度はひじきの煮物を食べ、3日に1度はレバーを食べる。それ以外にもサプリメントで鉄分を補給するなど、かなりの「鉄子」っぷりだ。

 それでもストレスがたまると貧血症状は顕著になる。耳鳴り、頭痛、動悸(どうき)、息切れ…。同僚の男性社員も心配はしているのだが、変に心配して声をかけてセクハラ認定を受けるのも怖い。皆、遠巻きに見守るばかりだ。

 「長く続くストレスが貧血を増悪させる可能性は、確かにあります」と語るのは、湘南東部総合病院院長の市田隆文医師。その仕組みを解説してもらう。

 「急性胃炎での出血による貧血もあるが、慢性のストレスで自律神経のバランスが崩れると、“腸”がダメージを受けます。胃や大腸が不調をきたすことは知られていますが、じつは十二指腸も損傷を受けている。そして、口から摂取した鉄分の大半を吸収するのが、この十二指腸なのです」

 ストレスで十二指腸の働きが弱くなり、鉄分を正常に吸収できなくなった結果、貧血を招くこともあり得るという。J子さんのケースがまさにそれなのだ。

 市田医師が付け加える。

 「むやみにサプリメントなどで過剰に鉄分を補給すると、肝臓に負担がかかって肝障害の原因になる危険性が高まる。とくにC型肝炎の場合は肝硬変やさらに発がんのリスクが大きくなるので、注意が必要です」

 J子さんがまずすべきことは、ストレスを解消して、十二指腸の吸収を回復させること。そうすれば、自然に鉄分も補充され、貧血も治まっていくはずだ。その日が1日も早く訪れることを、同僚一同が首を長くして待っている。 (長田昭二)

                  ◇

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