機能性ディスペプシア 胃は異常なし…原因は交感神経の乱れ

2014.11.12


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 緊張やストレスで下痢や便秘になる人は多いが、ストレスに襲われる消化管は「下部」だけではない。「上部」がダメージを受けると、胃痛や吐き気でつらい思いをすることになる。今回はそんな「機能性ディスペプシア」についての物語。

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 会社役員のSさん(54)は、仕事上のストレスから来る胃痛に悩まされていた。何事も決めつけてかかる性格のSさん。「胃炎に違いない」と胃カメラ検査を受けたところ、特に問題は見当たらない。

 「そんなはずはない。よく見てくれ!」と食い下がるが、胃カメラを担当した若い医師は「異常がないものは、ないとしか言えない」と譲らない。

 異常がなければ安心すればいいと思うが、じつはSさん、本当は“異常”があったのだ。

 「機能性ディスペプシア(FD)とよばれる病態でしょう」と語るのは、新潟県上越市にある山崎内科消化器科医院の院長、山崎国男医師だ。

 「FDは、ストレスで交感神経などのバランスが崩れ、胃酸の分泌や胃のぜん動運動に異常が起きる病態。胃カメラで胃がんや胃潰瘍を除外できた場合に診断されます」

 ピロリ菌の有無も関係することが多いので、画像以外の要因を複合的に勘案して診断につなげていくことになる。医師の経験と力量が問われるが、山崎医師はこう説明する。

 「胃痛を訴えて受診する人を調べて、本当に病気があるのは3分の1。病気がないのが3分の1。そして残りの3分の1は、『異常なし』と分かった時点で症状が消えてしまうケースです」

 それだけ胃痛とストレスは密接な関係ということができるわけだが、どうすれば治るのだろうか。

 「基本的にはストレスをなくすしかありません。そうは言ってもなかなか難しいので、胸焼けや胃痛なら制酸剤、吐き気には制吐剤を処方し、対症療法で様子を見ていくのが一般的です」(山崎医師)

 Sさんは、とりあえずピロリ菌の除菌をすることになった。「ピロリ菌さえいなくなれば、この胃痛ともおさらばだ」と決めつけている。この手の患者は往々にして“医師にとってのストレス源”となるのだが…。 (長田昭二)

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