幼い頃は天使のように可愛かった男の子が、成長とともに少しずつ顔が長くなったり、濃くなったり、ゴツくなったりし、気づいたら外国人のようにアゴが割れ、「ケツアゴ」になっていた…ということはときどきある。
もともと欧米人などにはケツアゴが多い印象があるけど、日本人は少ない気もする。ケツアゴになる人・ならない人の違いは、どんなことなのだろうか。都内の美容外科医に聞いた。
「日本人や東洋人の場合、歴史的に草食だったため、一般的に『咀嚼(そしゃく)筋』の発達が不十分であることから、ケツアゴには本来なりにくいんです。ケツアゴになりやすい人というのは、オトガイ筋の十分に発達した人なんですよ」
オトガイ筋とは、口唇周りにかけての口筋の中で、口の下にV字型に走っている、梅干し状のシワがよる部分の筋肉のこと。食べ物の違いによって、アゴの違いが生まれていたようだが…。
「日本人も、食事が欧米化し、肉を多く食べるようになったことで、体形が欧米化してきていることと同様に、咀嚼筋が発達し、ケツアゴ化しているということは考えられると思います」
また、ケツアゴはどちらかというと、女性よりも男性に多い印象があるけれど、これはなぜ?
「女性の場合、皮下脂肪が多いため、皮下脂肪でカバーされてケツアゴが目立たないということはあります。間違ったダイエットや、痩せすぎなどによって、女性ホルモンが減りすぎてしまうと、ホルモンのバランスが崩れてしまい、男性化が進んでケツアゴ化してくる可能性もあります」
そういえば、痩せすぎて、アゴがしゃくれ気味になった人もときどきいるもの。
では、ケツアゴを治す方法ってあるのか。
「正直、ケツアゴを自力で治すことは不可能かと思います。ただし、割れているアゴの真ん中にヒアルロン酸注射を打ったり、シリコンプロテーゼを入れたり、割れている顎先部分を削る整形によって治すことはできます」
ちなみに、アメリカなどではケツアゴはセクシーなイメージがあり、歓迎されるそう。アゴが割れてきてショックを受ける男性もいるが、そう悪いモノでもないかも。