短期間で体重増えると危険 脂質異常症編(8)

★脂質異常症編(8)

2014.08.31


木庭新治准教授【拡大】

 健診で中性脂肪(トリグリセライド)150以上(単位mg/dl)、HDL40未満、さらには、LDL140以上で、脂質異常症と診断されても、自覚症状がないのが一般的。風邪もひかずに健康そのものならば、生活習慣の見直しにも積極的にはなりにくい。ところが、脂質異常症によって短期間で動脈硬化が進み、心筋梗塞などに見舞われることがあるそうだ。

 【急な体重増加】

 20代の会社員Aさんは、学生時代はハードな運動のアスリートだったが、社会人になってから運動習慣がゼロになった。しかし、食事量は学生時代と同じで2−3人前はペロリ。すると、5年後には体重が20キロアップし、30歳の目前で心筋梗塞に見舞われてしまった。何が起こったのか。

 「歩く、昇る、伸ばす 体若返り法」(角川マガジンズ)の著者、昭和大学医学部内科学講座・循環器内科学部門の木庭新治准教授が警鐘を鳴らす。

 「1日3000−4000キロカロリー以上を食べつつ運動不足では、1カ月でも体重は一気に増加します。このとき体内では、エネルギー効率や処理能力も下がり、食事による脂肪や糖質を処理しきれなくなるのです。乱れた食生活ではLDLが変性しやすく、脂質異常症に糖尿病も加われば、若くても動脈硬化になりやすいのです」

 女性の場合は、女性ホルモンの影響で、妊娠時のように短期的に体重が増加しても、動脈硬化は防ぐことが可能。しかし、男性は女性ホルモンの恩恵がないため、短期的に体重が増えると危険なのである。

 【心リハで風邪も撃退】

 「最近、子供の肥満も問題になっています。リバウンドを防ぎながら10キロ落とすには、2年間程度はかかります。体重は短期間で増えますが、減らすのには時間がかかるのです。だからこそ、体重が増えすぎないようにすることが大切。また、増えてしまった体重は放置しないようにすることが重要なのです」

 こう話す木庭准教授に、生活習慣の見直しのポイント(別表参照)を教えてもらった。もちろん、決め手は運動と食事の見直し。60代で心筋梗塞に見合われたBさんは、週に3回、運動療法を中心とした心臓リハビリテーションを受けるようになり、80代の現在も健康的に過ごしているという。

 運動で値が上昇するHDLは、血管のコレステロールを取り除くだけでなく、抗炎症反応など複雑な仕組みを持つ。Bさんは、心リハを受けてから、風邪もひかなくなったそうだ。

 「脂肪が体内にたまると、細胞間のシグナルのような生理活性タンパクの働きが異常になり、血管の壁を壊し、血圧や血糖値を上げるなど、身体が悪循環に陥ります。それを断ち切るには、生活習慣の見直しが欠かせません。遅すぎることはありませんので、今日から見直していただきたいと思います」と木庭准教授はアドバイスする。 (安達純子)

■脂質異常症改善のための生活習慣
・週3回30分以上の運動(病気を抱える人は主治医に相談を)
・運動はハアハアと息切れをしない程度にとどめる
・運動に取り組みにくい人は1日1万歩を目標に、少しでも多く歩く
・食事は1日1800Kcalに抑え、和食中心にする
・和食では、野菜、大豆製品、魚は積極的に食べるようにする
・肉は赤身や鶏肉を選択。ただし、揚げ物や炒めものは控える
・腹八分目を心掛ける

 

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