重なる“少し高値”で大血管病リスク高まる 脂質異常症編(9)

★脂質異常症編(9)

2014.09.07


市原淳弘主任教授【拡大】

 脂質異常症では、LDLコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)が、少し異常値という場合、まずは生活習慣の改善が医師から勧められる。高血圧や糖尿病でもしかり。「チョイ高値ではどうってことない」といいたいところだが、値が重なると、心筋梗塞などの大血管病のリスクは高くなるという。なぜなのか。

 【1+1は4になる】

 以前、このコーナーで、LDLコレステロールの異常値と糖尿病が重なると、数値の管理目標が厳しくなると紹介した。しかし一方で、血圧とコレステロールが少々高くても、「放っておいてよい」という人はいる。少しの高値ならば問題ないと、素人は考えやすい。そこに落とし穴が待っていた。

 東京女子医科大学病院高血圧・内分泌内科の市原淳弘主任教授が警鐘を鳴らす。

 「脂質異常症で、少々値が高い場合の血管病のリスクを『1』とします。高血圧の少々高値もリスクは『1』。2つを足した場合に、リスクは『2』ではなく、『3−4』に跳ね上がるのです。一般的に微妙な値は放置されがちですが、2つ、3つと、生活習慣病が合わさると、リスクの山は一気に高くなるのです。放置してはいけません」

 脂質異常症、高血圧、糖尿病の値が、どれも少しずつ高い場合は、1つだけ高いときと比べて、心筋梗塞や脳梗塞といった大血管病のリスクは6−7倍にも跳ね上がるそうだ。ただし、この段階で、食事や運動などの生活習慣を改善すれば、一気にどの値も下げることが可能。放置していると、いずれの値もやがて高くなり、薬に頼らざるを得なくなってしまう。

 【酸化LDLが増える】

 糖尿病は、LDLコレステロールを変性させ、高血糖と変性LDLで、血管に大きなダメージを与える。では、高血圧はどうか。

 「高血圧では、血管内皮にコレステロールの接着分子が増えて、血管壁にコレステロールを取り込みやすくします。LDLは、酸化変性すると血管壁に入りやすいのですが、高血圧による酸化ストレスで、酸化LDLも増えるのです」(市原教授)

 脂質異常症と高血圧が合わさると、変性したLDLが血管壁にたまりやくなり、そこに高血圧の圧力が加わることで、心筋梗塞や脳梗塞などが起こりやすくなる。糖尿病が加わるとこの状態は加速。だから、1+1+1=3ではなく、リスクは6−7倍に跳ね上がるというわけだ。しかし、血管壁にコレステロールがたまり、動脈硬化が進んでも自覚症状に乏しい。

 「生活習慣病のいずれの値も、少し高値で数年間放置したという人は、首にある頚(けい)動脈の動脈硬化を測るエコー検査を受けてみてください。高血圧の専門医や循環器内科などで、検査を受けることができます。動脈硬化の状態によっては、生活習慣の見直しだけで改善も可能です」と市原教授は話す。 (安達純子)

 ○危険知らせる診断基準でのチョイ高値(重なるとより危険)
 脂質異常症/LDLコレステロール140以上
       HDLコレステロール40未満
       トリグリセライド150以上
 高血圧/診察室での測定140(収縮期血圧)以上
     90(拡張期血圧)以上
 糖尿病/空腹時血糖値126以上
     HbA1c 6.5%以上
 *脂質異常症と糖尿病の単位はmg/dl、血圧の単位はmmHg

 

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