季節性鬱病 食欲と眠気の秋!? 原因は日照時間

2014.10.29


イラスト・メソポ田宮文明【拡大】

 春眠暁を覚えず−とはいうが、秋になると眠くなる人がいる。「季節性鬱(うつ)病」とよばれるこの病気、一般的な鬱病とは様子が異なるようだ。とはいえ、鬱病であることには変わりない。それが新たなストレスを生み出すことにもなる。

 Yさん(43)はこの数年、秋になると気分がふさぎ込む。物思いにふけるというなら「秋だからね」と理解もできるが、そんなレベルではないようだ。どんなに寝ても眠気が取れず、昼間は甘いものが手放せなくなる。当然体重も太るので不健康だ。それがストレスとなり、またヤケ食いに走る。

 Yさんのこうした症状は毎年10月頃に始まり、春の訪れを感じる頃には治まっていく。秋冬限定の鬱症状なのだ。

 じつはYさん、この症状が「季節性鬱病」という病気によるものだということを知っている。昨年の今頃、あまりに調子が悪いので内科を受診して診断されたのだ。

 それにしても聞きなれない病名だ。千葉県野田市にあるキッコーマン総合病院院長代理の三上繁医師に解説してもらおう。

 「秋から冬にかけて発病し、春になると自然に治る鬱病です。普通の鬱病が不眠と食欲不振を招くのに対して、“季節性”は過眠と食欲増進という逆の症状を示すことが多いのが特徴。特に炭水化物や甘いものを欲しがる傾向が強く、Yさんのように冬だけ太る人が少なくない」

 なぜそんなことになるのか。三上医師が続ける。

 「日照時間が短くなるこの時期は、脳内のセロトニンの分泌量が低下し、“冬眠モード”に切り替わるのです。ところが“夏モード”になじんでいる体がこの変化についていけなくなると、そのひずみが“鬱症状”を引き起こす−と考えられています」

 一番の治療法は日光浴。特に屋外での運動が効果的だが、重症の人には、高照度光療法という医学的アプローチもあるという。

 夕方になると自らオフィスの窓際に陣取り、目に涙を浮かべて西日を浴びるのが日課のYさん。どうせなら頑張って早起きして、朝日を浴びたほうが健康的だと思うのだが…。 (長田昭二)

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