藤田保健衛生大学病院 がんのロボット手術、技術革新へ突き進む

★藤田保健衛生大学病院・上部消化管外科

2015.02.25


藤田保健衛生大学病院【拡大】

 2014年10月、胃がんに対するロボット手術(ダヴィンチ)が、先進医療として承認された。胃がんの手術には、大きくおなかを開ける開腹手術と、小さな複数の穴から内視鏡などの医療器具を腹部に入れて治療する腹腔鏡下手術があり、ロボット手術は、腹腔鏡下手術と手法は同じだが、遠隔操作のロボットアームで治療を行う。腹腔鏡下手術よりも、3次元画像で患部を詳細に観察でき、ロボットアームによって手ぶれがなく、先端が360度以上動かせて細かい作業がしやすいなどの利点がある。

 しかし、日本における胃がんの腹腔鏡下手術の技術は、もともと世界トップレベル。

 ロボット手術で腹腔鏡下手術を上回る実績を上げなければ、先進医療とは認められない。この状況下、胃がんの先進医療承認への道を切り開いたのが、藤田保健衛生大学病院上部消化管外科。

 「1997年に開始した胃がんの腹腔鏡下手術では、小さな傷でも開腹手術と同じ治療を提供することに力を注ぎました。その目標は達成され、次に何をするかと考えたときに、傷が小さいこと以上に、精度をさらに上げることを目指しました。そのツールとして、ロボット手術があったのです」

 こう話す同科の宇山一朗教授(54)は、97年に世界で初めて胃がんの腹腔鏡下手術を成功させたスペシャリスト。これまで1200例以上の腹腔鏡下胃がん手術を行っており、ロボット手術は2009年1月に導入した。そして、12年までの4年間で、腹腔鏡下手術とロボット手術の合併症発生率を比較したところ、発症率がロボット手術で5分の1に減少。さらに2分の1にまで減らせるとの仮説を立て、胃がんのロボット手術の先進医療の承認に尽力した。結果として、胃がんのステージ1と2で、ロボット手術が先進医療と認められたのである。

 「先進医療になったことで、胃がんのロボット手術は、保険診療と混合できるようになり、患者さんへの費用負担(約65万円)は従来よりも軽くなりました。他施設とも協力して、胃がんのロボット手術の保険収載を目指しています」

 宇山教授は、胃がんのみならず食道がんのロボット手術も手掛けている。また、肝がんや膵(すい)がんの一部でも導入(いずれも自費診療)。さらに、12年には院内にトレーニングセンターを設置し、全国から集まる後進の技術レベルの向上もサポートしている。

 「食道がんのような複雑な手術ほど、精細な治療ができるロボット手術は効果が高いと思っています。ロボット手術の医療機器も、世界的に開発されて年々進歩しています。将来、日本製のロボットができ、保険収載されるようになるのが理想。まずは、胃がんで実現できればと考えています」と宇山教授。技術革新の道を確固としたものにすべく、力を注いでいる。 (安達純子)

【データ】2014年実績
・胃がん腹腔鏡下手術約150件
・胃がんロボット手術約40件
・食道がん腹腔鏡下手術18件
・食道がんロボット手術10件
・病院病床数1505床
〔住所〕〒470−1192 愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1の98 (電)0562・93・2111

 

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