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【当てちゃる券】愛すべき後輩、北津留翼

 九州勢の応援団長を自認する私。今回は、愛すべき後輩、翼ちゃんこと北津留翼(福岡90期)の微笑ましいエピソードを2つほど紹介しましょう。

 彼がまだ若手のころ。翼の飯の食べ方には驚きました。初めて同じ開催になった選手宿舎の夕食のとき。隣の翼のお茶碗を見ると、日本昔ばなしの漫画そのままのデカイどんぶりに山盛りのご飯が。それを平然と2度おかわりした彼は、3日間そのルーティンを続け、S級初優勝して帰っていきました。

 デビューまもないころ、関東のある競輪場に飛行機に乗って参加したときのこと。

「僕はスイスの自転車の学校に行ってました。だから英語にはかなり自信があるんです」。さすがに世界を股にかけて戦ってきただけのことはあるなと感心していると、胸ポケットから一枚の紙を取り出し凝視していました。そこには手書きで詳しく書かれた羽田空港から競輪場までの電車の乗り換え順が。

 聞くと電車の乗り方にまったく自信がなく、お母さんに書いてもらったとのこと。世界を股にかけていても山手線は迷っちゃうのかと思わず笑ってしまいました。まだ面白エピソードがあるので、それはまたの機会に。

(元競輪選手)

《2016年3月29日発行、夕刊フジから》

 ■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。