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【当てちゃる券】開催中はスマホ、パソコンも使えない…宿舎での暇つぶしは読書

 競輪選手は開催の前日、競輪場に入った瞬間から最終日、賞金を受け取り、管理棟を出るまでの間、厳しい管理下に置かれる。スマホやパソコン、通信可能なゲーム機は全て預けなければならない。外部との接触は完全に閉ざされる。ただ、ナイターやミッドナイトだとレースまで何もすることがなく、日中は暇だ。風呂に入ったり昼寝をしたり、テレビを見たりとダラダラした時間を過ごす。

 どこの宿舎にも本棚があるが、必ずズラリとそろっているのが「ゴルゴ13」と「課長島耕作」。間違いなく、選手ならみんな一度は読んでいる。主人公はどちらも女性にモテる。あんなにモテるんなら、今度生まれ変わったらサラリーマンも悪くないなと思ったことがある。今どきは、持参したDVDプレーヤーでレンタルしてきた好きな映画を巣箱(ベッド)のなかで静かに鑑賞する人が増えた。オレはどちらかというと読書派だった。

 そういえば、作家の安部譲二さんが亡くなった。ちょうど20代の頃に安部ワールドにハマっていた。代表作「塀の中の懲りない面々」「塀の中のプレイボール」は面白くて何度も読み返した。経歴もぶっ飛んでいた。麻布中学から慶応高校を卒業し、日航の国際線のパーサーをやってたヤーサンなんて、どこを探してもいないだろう。オレは安部作品のどの文章もウイットにあふれていて大好きだった。記念競輪だったかな? 旧前橋競輪場で一度だけ安部さんをお見かけしたことがある。熊みたいに大きな人だった。“塀の中”で、塀の中シリーズを読んでいたって、今気が付いた(笑)。安部先生、楽しく読ませてもらいました。ご冥福をお祈りします。合掌。

 武雄初日A級特選(12R)は近況堅実な成績で、前回の宇都宮ミッドナイトではハコ周りから優勝と上げ潮の嶋田。コマ切れ4分戦だが、うまく位置を確保し、自力決着を目指す。番手の大ベテラン・大竹が食い下がり 〔5〕⇔〔3〕-〔1〕〔7〕〔9〕。点数最上位の川越と力の決着で 〔5〕⇔〔7〕-〔2〕〔3〕〔4〕〔8〕も一考。(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。