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【当てちゃる券】武雄の“闘将”佐々木昭彦

≪2016年12月20日発行、夕刊フジから≫

 佐賀県にある武雄市。関東にはあまりなじみのないところなので、少しだけ紹介をしたい。

 博多駅から電車で一時間ちょっとで行けるこの場所は、江戸時代、小倉を起点とする長崎街道の宿場町として栄え、古くから温泉が有名だった。豊臣秀吉が朝鮮出兵の際は、兵の湯治場としても使ったといわれている。

 現在も武雄温泉として多くの人々に親しまれ、また、スターバックスのコーヒーが飲める武雄市図書館は近代的設備を誇り、全国的に有名である。

 武雄競輪場は1950年(昭和25年)に開設された66年の歴史を持つ競輪場だ。9月に「オッズパーク武雄」としてリニューアルしたばかり。

 武雄といえば現役時代、「闘将」と呼ばれた佐々木昭彦さん(佐賀43期、引退)を抜きにしては語れない。

 特別競輪を3回、記念競輪を49回も優勝した大スター。同期の滝澤正光さんとは親友で、ライバルだったのは有名だ。

 身体は小柄だが、走りは一切、妥協のない勝負を信条としていた。ときに中野浩一-井上茂徳の先頭で戦い、またあるときには敢然とフラワーラインに競り込んでいくその姿は、まるで「火の玉」のようで格好よかった。

 若いころは関東でのレースが終わると、よく六本木に連れて行ってもらった思い出がある。昭彦さんはレース同様、夜も常に番手勝負。私はいつも黙って3番手を回った記憶がある(笑)。(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。

 ※原則として新聞掲載時のまま再録していますが、一部加筆・修正を行っています。