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【艇王・植木通彦 ボートレース人国記】「史上最高のレース」といわれるグランプリ優勝戦 (1/2ページ)

 ★大阪・住之江の巻(中)

 ボートレース住之江で初のナイターで行われたSGグランプリの覇者は地元の石野貴之だった。植木通彦氏は住之江で、1995年、2002年とグランプリを2度優勝した。中でも95年の優勝戦は名勝負としてファンに長く記憶されることになった。

 「私にとって初めてのグランプリ優勝でしたが、今でもネットなどでその映像を楽しんでいただいています。私は5枠で出場しましたが、想定外の2コースからのレースとなりました。1枠は中道善博大先輩です。2コースになった時点で、ボート界を代表するテクニックを持つ中道さんを差すのは至難の業と考えました。そこで、第1ターンマークはいつも通りスピードを持って中道さんの外をターンして、2マークに勝負を賭けようと考えたのです」

 植木氏はレース終了後は、レースのことを覚えていなかったという。「ものすごくレースの一瞬一瞬に集中していたと思います」。ボートレースではスタートして第1ターンマークを回り、2マークまで競り合う展開になることはあるが、そこで勝敗が付く場合がほとんどだ。だが、2人のしのぎ合いはその後も続き、ターンのたびにトップが入れ替わるという見たこともない戦いになった。結局、植木氏が勝利した。いまでは2人とも引退しているが、時々顔を合わせることもあるという。

 「中道さんとは、イベントなどでご一緒する機会があります。その時はやはりこの優勝戦の話になります。中道さんはお互いが失敗しているとおっしゃいます。私は必死の3周回でしたので、そのように感じる余裕はありませんでした。このタイトルを得たことで中道さんはじめ多くの先輩に少し認められた感じがしてうれしく思いました」

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