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【当てちゃる券】デビュー戦、思い出深い「大津びわこ競輪場」

<<2017年6月15日発行、夕刊フジから>>

 選手や関係者はこの特別競輪に敬意を表して「宮杯」と呼んでいる「高松宮記念杯競輪」。現在は持ち回りだが、もともとは大津びわこ競輪場(2011年廃止)で毎年開催されていた歴史のある特別競輪だ。

 調べてみたら私は10回出場していた。梅雨時期の開催で別名“雨の宮杯”とも呼ばれ、よく雨が降った。私の中では、高松宮杯も大津びわこ競輪場もとても思い出深い。

 1983年、私のデビューはここだった。準決勝にすら乗れなかったデビュー戦だったが、それから3年後、私はS級1班に昇級し、初めて宮杯を走った。初日の第1レース〔1〕番車で1着を取ったときは感慨深かった。

 88年の開催は井上茂徳さんが宮杯を初優勝し、初めてグランドスラムを達成した。92年の決勝は中野浩一さんがグランドスラムをかけた戦いだったが、勝ったのは5度目のVを飾った怪物・滝澤正光さんだった。ミスター競輪はこのレースを最後にバンクを去った。

 このあとの90年代は神山雄一郎(94、95年優勝)と吉岡稔真(96、97年優勝)の2強時代に突入して毎年激闘を繰り広げ、双方2回ずつ優勝した。私の走った宮杯はこんな時代だった。

 競輪場は廃止になり、感傷的な気持ちにもなるが、宮杯の伝統は続いている。

(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。

※原則として新聞掲載時のまま再録していますが、一部加筆・修正を行っています。