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【当てちゃる券】必要なのは同世代のライバルたち

<<2017年7月07日発行、夕刊フジから>>

 将棋ファンを自認する私は彼のことを書きたい。将棋界の大器、藤井聡太四段(14)のことだ。

 彼が塗り替えた歴代連勝記録は29でストップした。しかし、デビュー戦から続けたこの記録は、プロの間ではもう二度と破られることがないといわれている。

 これから彼の将来に必要なものは何か? 私は同世代のライバルたちの出現だと思う。羽生善治三冠がプロになった約30年前、羽生さんの他にも数人の天才たちが、ほぼ同時期にデビューした。十代の彼らは「チャイルドブランド」と呼ばれ、切磋琢磨(せっさたくま)して、その後の将棋界を席巻していった。

 彼らは研究会を開き、常に最先端の将棋を開拓していた。名人位に6度挑戦して失敗した米長邦雄永世棋聖(故人)は、自分の将棋を作り替えるために、羽生さんたちに頭を下げ教えを請うた。そして、7度目の挑戦で名人位を獲得したのは有名な話だ。

 藤井世代も羽生世代と同様に沢山のハイレベルの棋士を輩出してほしい。6日、藤井四段は中田功七段(49)との対局があった。結果は藤井四段の勝ち。ときどきメールのやり取りをしてる中田七段は競輪とマージャンをこよなく愛する昭和の棋士。若いころ、私のファンだったとお聞きしたときはとてもうれしかった。

(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。

※原則として新聞掲載時のまま再録していますが、一部加筆・修正を行っています。