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【当てちゃる券】団体競技と個人競技、どちらがいいのか

<<2017年8月01日発行、夕刊フジから>>

 早稲田実業が、西東京大会決勝で東海大菅生に破れ、清宮幸太郎くんの甲子園への夢が終わった。

 日本中の人が、甲子園でホームランをかっ飛ばす清宮くんを見たかったはずだ。バッターとしての清宮くんの実力は恐らく高校日本一だろう。今後、選択肢はいくつかあるが、最終的にはプロになり、大打者になる可能性は高い。しかし、彼は一年生のときにしか夏の甲子園には出ていない。どんなに優れたピッチャーやバッターでもチームが地区大会で負けてしまえばそれまでで、夢の舞台には立てない。団体競技とはそういうものだ。

 私は、中学高校と6年間バレーボールをやっていた。ポジションはアタッカー。ジャンプ力もあり、自分では結構イケていたと思う。ただ、高校時代のチームメートは未経験者が数名いて、みんな小柄なうえ、顧問は情熱もなく試合のときにしか来ないようなひどい先生だった。当然、練習も愛好会のようなヌルい雰囲気で、試合も負けてばかりでいい思い出はひとつもなかった。

 今後、スポーツをやるなら個人競技だなと心に決めていた。競輪と出会ったのはそのころで、まさに“わが意を得たり”の心境だったかな。競輪は基本個人競技、勝利も敗北も自己責任だが、充実感も半端じゃなかった。団体競技と個人競技、どちらがいいのかは好みの問題だと思うが、このときの私は間違っていなかったと思っている。(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。

※原則として新聞掲載時のまま再録していますが、一部加筆・修正を行っています。