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【当てちゃる券】別府の思い出 別府ナイター最終日12R山崎で負けられぬ〔1〕-〔7〕〔9〕-〔5〕〔7〕〔9〕

 新人の頃から別府競輪場で行われる強化合宿にはよく参加させてもらった。九州3強(中野浩一、井上茂徳、佐々木昭彦)とのモガキは緊張したが、意外に鬼脚も闘将も練習は弱かった。お金がかかるとあんなに強いのに…。

 駐車場には外車がずらりと並んでいて、太っ腹な先輩はポルシェやベンツのキーをポンと貸してくれた。生まれて初めて運転する左ハンドルの高級外車は練習より刺激的だった。

 「強くなったら、こんな車に乗れるのか」とモチベーションがあがった。

 別府は日本一の湧出量を誇る温泉街。いちいち数えてはないが、いろんな温泉に入った。混浴のどろ湯にも行ったが、残念ながら女性と遭遇したことは一度もない。竹格子の隙間から目をこらすと女湯がのぞける秘湯があったが目の保養になった。

 ここは食べ物もおいしい。今では高級ブランドの関サバを初めて食べたときからオレはサバの刺し身が大好物になった。

 また、別府には天然ボケの選手が多かった。ポン友の中西龍太郎(56期引退)は予定日より早く生まれたから、自分は早生まれだと40歳まで信じていた。

 ある日、日焼けをするために山にいった彼に「なぜ海で焼かないのか」と尋ねたら「海より山の方が太陽に近いし、よく焼けるから」と答えた(笑)。

 別府ナイター最終日S級決勝(12R)は地元の大塚が脱落し、九州は山崎だけとなったが、負けられないメンバーだ。何が何でも優勝し、復調のきっかけをつかんでもらいたい。マークは兵庫のいぶし銀・村田。

 〔1〕-〔7〕〔9〕-〔5〕〔7〕〔9〕。

 志村けんさんの訃報の前夜、オレは早期収束の願いを込めて、コロナビールに大分産のカボスを挟んで飲んでみたが、シャレにならない状況になってきた。合掌。

(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。