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【当てちゃる券】競輪選手の危機感 佐世保ナイター最終日12R 寺崎が7番手から一気に飲み込む〔3〕⇔〔7〕-〔1〕〔5〕〔9〕

 単独開催となった武雄記念の売り上げは、目標の18億円をはるかに上回る30億円超えを記録した。また新たな感染者も出さずに最終日までやれたことは他場の希望にもつながったはず。

 優勝した松浦悠士(広島)は過去のレジェンドたちと同じように“記念は勝って当たり前”という雰囲気を醸し出し始めた。この域に到達したレジェンドたちは次の特別競輪の調整のように記念を走った。

 オレは日本選手権(GI・静岡、開催中止)を走る松浦をなんとしても見たかった。今年は清水裕友(山口)とともに自分たちの時代を確立したいはずだから。

 同期の佐久間幸人(三重・51期引退)は現役時代からカフェを経営しているが「選手は強かろうが弱かろうが、毎月ちゃんとあっせんがくるやろ。商売はお客が来んやったら終わりや。競輪選手はえぇ商売。クビになるまで走らな、もったいない」といつも言っていたが…開催中止が相次ぎ先の見えない現状に選手も危機感を持っている。そのせいか武雄記念に続き今節の佐世保もレースが締まってみえる。

 佐世保ナイター最終日S級決勝(12R)は寺崎浩平が主役。チャレンジやA級のときは遊んでいるようで好きじゃなかったが、S級特進後は徐々にベールを脱ぎ始めた。

 決勝は河合の逃げをホーム7番手から一気に飲み込む。松川は仕掛けに集中し追走する。〔3〕⇔〔7〕-〔1〕〔5〕〔9〕。

 ここまでは期待通りの活躍の寺崎。競輪界の起爆剤となりつつある。トップクラスが顔をそろえる記念競輪での走りを早く見てみたいところ。佐々木昭彦さんから新型コロナウイルスに感染したレジェンド・井上茂徳さんが快方に向かっていると聞き、安心した。しかし、初代グランドスラマーの鬼脚に競りかけるとは恐るべき病原体だ。引き続き気を緩めずに過ごしたい。

(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。