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【内田浩司 令和のスター 出てこいや~!】原大智(はら・だいち)23歳=宮城・117期=

 有名なモーグルの選手が競輪に挑戦することは知っていたがこの企画を頂くまで失礼だが名前も忘れていた。

 彼の名は原大智23歳、2018年平昌オリンピック男子フリースタイルモーグルで日本人初の銅メダルを獲得した世界的スキーヤー。おまけにマスクもいい。

 その彼が突如、競輪選手への転向を表明し、117期の特別選抜試験を受け入所。ところが、養成所では規定タイムが出ず退所の危機を追試で免れたほどの劣等生。動画で見た彼は「才能がない」と自虐的な発言をした。ある程度自信があったんだろうけど、オレに言わせれば当たり前の結果。

 周りは人生の全てを自転車に賭けて勝ち抜いてきた連中だ。勝てるわけがない。オレがもし彼と同期生だったら「モーグルの銅メダリストで男前だって? そんなやつ知らねぇよ」と闘志むき出しだったかも(笑)。

 原選手に伝えたいことがある。まずは現役のメダリストが競輪に挑戦してくれたことに拍手を送りたい。

 また、モーグルと競輪の二刀流を目指すと聞いたが大賛成だ! いろいろ言う奴もおるやろうけど、誰もやっていないことに挑戦するって素晴らしい。養成所の成績なんてノープロブレム。本当の勝負はこれから。

 滝澤正光さん(43期引退)は一日200キロの練習を自分に課しグランドスラマーになったし、オレと同期の本田晴美(51期引退)は一日5回ものハードな練習でケイリンの世界チャンピオンになった。競輪学校(当時)ではド素人の適性組で劣等生だった2人は、卒業後の圧倒的な練習量で“その差”を埋めて超一流になった。

 自転車は乗り物だ。今は誰よりも自転車に乗って乗って、乗り倒して早くプロの自転車乗りになるしかない。

 それと自転車をスキーと同じくらい好きになってほしい。原選手は持ってる人だ。近い将来、モーグルと同じような切れ味鋭いレースをバンクで魅せてくれることを期待している。今は彼の成長に興味津々である。(元競輪選手)

■今月の出走予定 広島(15~17日)ルーキーシリーズ

■内田浩司(うちだ・こうじ)1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。