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【当てちゃる券】古傷が痛む 別府ナイター最終日11R 柴崎の初優勝チャンス!〔2〕-〔1〕〔3〕〔9〕-〔1〕〔3〕〔9〕

 選手は引退しても古傷に悩まされることが多い。近ごろ頚椎(けいつい)ヘルニアの調子が悪いので、整形外科へ首の牽引(けんいん)に通っている。

 発症したのは30代の頃で原因は落車。首を回すと肩から腕にかけて激しくしびれて練習どころではなかった。首の後ろから針を刺し、脊髄の手前で麻酔薬を注入するブロック注射はそれなりに効果があったが、怖すぎて何度もできないと思い、別の治療法を探した。

 某選手に紹介されたのは気功だった。半信半疑で行ってみるとその大先生は「あんたは人の悪口ばかり言う性格やな。だからそんな病気になるのだ」とヘルニアとは関係のない人格批判を散々され、最後に“気”を注入された。

 2回目は前回とは逆に「今日は“気”の流れがいい。よくなってきよる」と言われたが症状はまったく改善されなかった。他の選手たちの口コミでは、そのうちフレームの色や乗車フォームにまで口を出してくると聞き、洗脳される前にオレは通うのを止めた。

 わらにすがる思いで電話をかけたのは競輪学校(現・日本競輪選手養成所)校医の寺門敬夫先生だった。

 「ヘルニアは選手の職業病だから上手に付き合おう。麻酔科で星状神経節ブロック注射を定期的にしてもらいなさい、楽になるから」とアドバイスされた。

 聞きなれないこの注射は首回りの神経をリラックスさせる効果があり、なんとか選手を続けることができた。いつかお礼を言わなければと思いながら数年がたったとき、先生が他界されたことを知った。

 別府ナイター最終日S級決勝(11R)は、同県・皿屋のメイチ逃げに乗り柴崎が今年初優勝へチャンス。〔2〕-〔1〕〔3〕〔9〕-〔1〕〔3〕〔9〕。皿屋と南のモガキ合いなら守沢のまくりが決まる〔1〕-〔3〕〔7〕-〔2〕〔3〕〔7〕。

(元競輪選手)

 ■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。