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【当てちゃる券】それも競輪、これも競輪 伊東ナイター最終日12R 近藤が差す〔5〕⇔〔9〕-〔2〕〔3〕〔7〕

 和歌山競輪場で行われた今年2つ目のGI、高松宮記念杯競輪は脇本雄太の完全優勝で幕を閉じた。

 昨年末のGPから、約半年ぶりの実戦だったが、危なげない内容に東京オリンピック代表の底力を見せつけた。

 しかも、脇本はラインでの入着を考えて、飛びつかせないように仕掛けていた。番手の稲川翔は出きった瞬間“優勝”を意識しただろう。

 しかし、まくってきた松浦悠士をブロックしたが、返す刀で追い上げを食らってしまったのは脚力差だったか。

 松浦は見せ場は作ったものの苦しいレースだった。盟友の清水裕友が同乗していたら一泡吹かせることができたかも。松浦-清水vs脇本の対決は今後面白いカードになりそうだ。

 GIの決勝6度目の和田健太郎は松浦の後位から渾身(こんしん)の差しを見せたが脇本が強すぎた。

 うまく3番手に切り替えた平原康多は全盛期ならいい勝負をしたと思う。新田祐大は決勝になると待ちのレースをやることが多く、あれでは影が薄い。

 GP覇者の佐藤慎太郎の4着はさすが。

 初めての決勝進出は芦沢辰弘。最初で最後のGI決勝だった平塚ダービーのスタート前、オレはスタンドを埋め尽くした大観衆を見て「こんなに沢山のファンの前でこれから走るのか」と誇らしい気持ちになった。

 GIの決勝が無観客なんて選手がかわいそうだ。芦沢には、もう一回決勝に乗ってあの気持ちを味わってもらいたい。

 伊東ナイター最終日S級決勝(12R)は細切れ戦。先手はバック14本の小原がとるが岐阜3車の抵抗は必至、好機に高橋がまくり、近藤が差す。〔5〕⇔〔9〕-〔2〕〔3〕〔7〕。

 愛知は3車だが初日特選同様、笠松は近藤の後ろを回ろうとしないのは不自然にみえるが、その理由はなんだろう。それも競輪だ。(元競輪選手)

■内田浩司(うちだ・こうじ) 1962年8月26日生まれ。福岡県出身。83年4月に51期生としてデビューし、S級上位で活躍。2015年10月29日に引退。通算435勝、優勝34回(記念Vは92年門司記念など6回)。FI先行・吉岡稔真(としまさ=福岡県65期)元選手の兄弟子で連携は多数。実直な性格と厳しい指導から“鬼軍曹”として恐れられていた。夕刊フジ競輪面にコラム『当てちゃる券』を連載中。競輪祭では特別コラム『小倉競輪祭 なう&リメンバー』を執筆。